脱サラ(3)
独立当時の状態は従業員なし、法人でもなし、オフィスもなしと、ないないずくしでした。お客を呼ぼうとしても場所をどうするのか途方に暮れます。相手はSAABの開発担当役員とデザイン部長、初めてという事もあり下手な対応は出来ません。同じく脱サラして既にオフィスを持っている友人にパートナーとしての場所の提供、共同作業を持ちかけましたが、あっさり断られます。
次に、少し前に自動車ジャーナリストで顔なじみのAさんから紹介されていた人を思い浮かべます。その人は赤坂に事務所を持ち、英語にも堪能でした。同じくデザイン関係の仕事をしていたので話は通じやすいのです。案の定彼は快く受けてくれました。立場は彼が社長で私がデザイン担当ですが、事務所と人を提供するというものです。分け前はスケッチに関しては殆ど私が担当するので三分の二、モデル制作は彼の事務所とメンバーを使うので三分の一というものです。悪い条件ではありません。
一応格好はついた、とほっとしたのも束の間、また家の電話がなります。聞けば日本のルノーの事務所からだと言うではありませんか。何の話かといぶかしんでいると、相手はかなり焦っているようなのです。(続く)
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