ヨーロッパ企業からの受注(1)
まず最初はSAABですが、モーターショーのSAABブースでデザイン部長と初対面です。凄くフランクでフレンドリーな感じに拍子抜けしましたが、スェーデン人というのはそういうタイプが多く、裏表のない人達だという事を知るのは未だかなり先のことでした。
取りあえず、打ち合わせの日を決めてその場はあっさり終了、仕事がスムーズに運びそうな気配を感じました。打ち合わせ当日、背が高く若々しい担当役員と二人で赤坂のオフィスに現れましたが、こちらの役員も妙に明るく気さくなのです。後日この役員は、いわゆるヘッドハンティングというやつでVOLVO に移籍して驚くのですが、この時は知る由もありません。
仕事の内容はある乗用車のバリエーション展開の為のデザイン依頼でした。勿論本国のデザイン部門でメインに進めている仕事ですが、外部からもアイデアを求めるのが多くのヨーロッパ企業のやり方です。話は凄く簡単に決まりました。驚いた事に料金もその場で、しかも口頭でおよその金額を決めるといったやり方なのです。
スケッチの作成だけなのにサラリーマン時代の年収にも相当する金額が普通に決まっていきます。こんな美味い事が続く訳はないと思いましたが、ひょっとしてあり得るのかなという気持もどこかにあった事は否めません。デザイン料を決める事は当時の私には難しい仕事でした。自分を高く売るという度胸なんてある筈もなく、例の協力者であるY社長の強気の設定が功を奏する事になるのです。この設定に根拠があるかどうか私にはよく分かりませんでした。(続く)
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