海外の仕事(韓国編2)
韓国の某大手カーメーカーから東京の事務所を通じて仕事の依頼が来たのは、初めてその会社を訪問してから4年の月日が経っていました。デザイン部長は毎年送る年賀状を気に留めていてくれたのです。始めはスケッチだけの仕事でした。
スケッチだけではビジネスとしての発展性がないので何とかコンセプトカーの受注に繋げようと日本のあるエンジニアリング会社と提携して提案をすることにしたのは約1年後の事です。
時代性を考えてハイブリッド電気自動車の提案をする事にしました。韓国で1回目のプレゼンをした時、確かな手応えがあったのです。先方も既に研究が始まっていて思惑が一致した訳です。
当時初めてのソウルモーターショーを翌年に控えていてタイミングは絶妙でした。トントン拍子にこちらのペースで仕事が決まり喜んでいたところ、系列の別会社からもコンセプトカーの依頼が来たのです。これはさすがに想定外でした。しかし油揚げを他の鳶にさらわれる訳にはいかないので何としても2本走らせようと画策します。
想定外の方は他のデザイン会社2社と組む事にしました。一社はクレイモデル、もう一社は主にハードモデル(樹脂)を作ってもらいます。日程も予算も厳しかったのですが、最初の仕事なので手は抜けません。何とかショーまでに両方共、ぎりぎりではありましたが間に合わせる事が出来たのです。(続く)
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