映画鑑賞(自動車編)
映画には脇役として車の存在はかかせません。見たい車が出る事を知ると、それだけで映画館まで足を運んだものです。
なかでも「逃げる男」の中で、保険金詐欺を企み死んだ筈のリー レミックの夫ローレンス ハーヴェイが騙し取った保険金で購入した純白の1963年型リンカーン コンチネンタルのコンバーティブル、この車は当時、私の一の憧れでした。
でかくて優雅でゴージャス、これはあの当時のアメリカにしか作れません。4ドアのオープンカーで、しかもあり得ない事に観音開きなんです。
アメリカの大統領専用車でもありました。ケネディ大統領が1963年に暗殺された時に乗っていたのも3200もあったホイールベースを更に500ミリ延長した黒いリムジン バージョンのリンカーンだったのです。
ボンドカーの中で一番強烈に印象に残っているのは何と言ってもアストンマーチンDB5です。ゴールドフィンガーで初めて見た時に思わず眼がハートになってしまいました。なんてスポーティで重厚で大人っぽくて歴史的な蓄積を感じると言うか、とても日本では作れそうもない感じがしたものです。
三次局面を多用した半手作りのボディはシルバーがよく似合います。高性能感が溢れていました。こういう車は古今東西を通じてもその当時のイギリスにしか出来ないと思います。今もかろうじてDBシリーズは生き残っていますが、海外の資本が入ってからは昔の、隅々までイギリス製というような質感、味はなくなってしまいました。
最近フォードから英国+中東系資本に代わって、昔のテイストが復活しつつありますが、そういう事情もあり、カジノロワイヤルまでの間で出てきたアストンマーチンの魅力は今一薄かったのです。
ボンド俳優もショーン コネリー以来、5人?勤めますが、初代が強烈すぎたので、なかなかしっくり来なかった事は否めません。帯に短し、たすきに長しで少しヤサ男に振れすぎていたきらいはあります。今回、強面路線に修正されたダニエル クレイグは、リアルな感じのスパイとして、やっと合格点をつける事が出来たのです。
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