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2008年4月 9日 (水)

バベルの塔

昔ラスべガスに行った時、そのスケールときらびやかさに驚きました。砂漠の中の夢の都(オアシス)といった感じでうんと楽しめそうな予感がしたものです。

Mgm_grand_hotelところがホテルについた瞬間からナイトメア(悪夢)が始まります。チェックインの行列には閉口しました。後ろで待つ家族の疲れた顔が気になります。1時間近くもかかったでしょうか。

くたくたになって遠い遠い部屋に向かいます。一番外れにあるその部屋は予想より遥かに素晴らしいものでした。料金の割にはバカ広く豪華なのです。バスルームだけでもビジネスホテルの一室よりひろいように見えます。知らなかったのですがラスベガスは博打でお金が落ちるので、ホテルの部屋は安いらしいのです。

その夜はホテルで推薦されたディナーショーに行きました。ショー自体は大人には退屈なものでしたが、不満はありません。期待したディナーは・・・これには参りました。とても食べられるものではなかったのです。

ふやけた肉としなびた野菜・・・もっともまわりのアメリカ人らしき人達は美味しそうに食べているのです(???)お陰で腹ぺこで寝る事になります。

夜景を見ながらベッドに横になって、砂漠の真ん中にある、いかにも人工的な町の、何か空虚な(腹が減ってるせいかも?)しっくりこないものを感じていました。ギャンブルの都と言う点で引っかかっているのかもしれません。

先日テレビでドバイの特集をやっているのを見ました。ラスベガスを更に人工的にしてスケールアップしたように見えます。オイルマネーをベースに金融大国となり、有り余る資金ををつぎ込んで建築見本市のような大リゾートを開発している訳ですが、素晴らしい見え方とは裏腹に、やはりしっくりこないものがあります。陰の部分が見え隠れするのです。

額に汗しないお金で作る虚栄のバブル都市からは、どうしてもソドムとゴモラやバベルの塔を連想してしまいます。

例えが飛躍しますが、個人的好みで言うと桂離宮の人工美より修学院離宮のシックな落ち着きが好きです。若い時と違って最近は自然が主役というコンセプトに安心感を覚えるのです。砂漠というハンデはありますが、ラスベガスやドバイに欠けているのはそこではないでしょうか。


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