差別
オマーン戦では大活躍し喝采を浴びたセルティックの中村俊輔ですが、スコットランドではアウェイで激しくヤジられたり嫌がらせをされていると聞きました。何でも「私の犬を食った」と大合唱したり、その内容を横断幕に書いたりと、組織的計画的らしいのです。
とんでもないと目くじらを立てる向きもいるようですが、私はその程度であればむしろ健全な範囲内かもしれないと思っています。
大リーグだって相手側の強打者に対しブーイングをします。強い証であると、むしろ名誉に思えば気にもならないのです。
中村俊輔の場合は人種差別的な意味合いもあって、アンフェアな感じは否めないのですが、稚拙で無教養なそういう行為は子供によく見られるように、人間の本質的な所に根ざすものでもあります。
その人種差別に関して、知り合いから聞いた話ですが、その人の友人は決して人種差別などはしないと言うのです。よくよく聞くと「でも子供が肌の色の違う人と結婚したいと言ったら、反対する」とも言うらしいのです。
ひどく矛盾するような話ですが、脈絡的には分からない話ではないような気がします。自分に関係の薄い所では、ことさらそういう行為はしないが、身近な所では、そうは言っていられないよ、という意味なのでしょう。差別しないと言うから話がややこしいのです。
でも、それは胡散臭い博愛主義より余程共感が持てます。むしろ生物学的には正しい事なのかもしれません。種を保存、維持する為に子供を守るという本能はどの生物でも持っています。
いずれにせよ自分の本能的行為を正当化し認めさせるには、相手のそういった行為も同様に認めざるを得ないという合理的結論に行き着けばいいのですが、異質だからと言って排斥するようになると事は厄介なのです。
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