マイノリティ リポート
このところ理不尽な犯罪が増えています。無差別で突発的なものは、本当に防ぎようがなく、やりきれない思いをしている人は多いと思います。運が悪いとしか言い様のない被害者に対しては言葉もありません。
すぐ社会のせいにしたり、道具のせいにしたりするのがマスコミの習性ですが、事件があったからと言って、何でもかんでも規制してしまう訳にはいかないのです。
この非常に難しい問題は、簡単に解決策が見つかるとも思えません。社会全体が意志を持って、徐々に舵を切っていけば10年〜20年あるいは半世紀後くらいに成果が現れたりするようなものではないでしょうか。
何年か前にスピルバーグとトムクルーズのコンビでマイノリティリポートという映画がありました。超能力者が未来の犯罪を予見して、犯人を事前に逮捕するのです。犯罪ゼロの理想社会を目指すシステムの話です。
ところが一見理想的なようで、よくよく考えるとおかしなところがあるのです。
事前に犯人を逮捕すれば、その犯罪は起こらない事になり、起こらない犯罪の犯人を逮捕するというのは、容疑者にしてみれば納得のいく筈がないのです。
既に起こった犯罪を霊能力者が解決するというのは現実にある話しです。完璧は望むべくもありませんが、米英ではかなり効果を挙げていると聞きました。
未来の場合は予見が100%正確でないと意味がありません。外れるケースが一件でもあれば、前提として成立しないのです。
結局映画の中でもそのシステムは破綻してしまいます。テーマそのものは面白く、スピルバーグらしくない映画という事もあって、興味深く見ましたが、色々疑問が残ったのです。
話は戻ります。常軌を逸した行動の背景には、常人には理解し難い不可解な力が働いているとしか思えません。また世の中には超常現象的な事が多々あるのも事実です。人間の考えられる事なんて、所詮は非常に狭い範囲でしかないのです。
私が毎日書いているマイノリティリポートも狭い世界ではありますが、少数意見の違ったアングルからの視点にこそ、隠れた真実の発見につながるサインがあるのかもしれません。
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