神聖喜劇(1)
TVの街頭インタビューで20歳くらいの若い女の子が、先の大戦について聞かれ、堂々と過去には興味がないから何も知らないと答えていました。その物怖じしない態度は一見潔く映ります。そういう考え方もあるのかもしれないと思わせるものがあるのです。しかしそのままこの子が人の母親になるとすれば、老婆心ながら心配しない訳にはいきません。
恐らく最近のTVや世の中の風潮にシンクロして何ら疑うところがないのでしょう。そこまで“無責任おバカ容認体質”が世間には浸透しているようです。勿論その子に瑕疵はありません。これは我々大人の責任です。子供達の教育に対して無頓着すぎたのかもしれません。
実はかく言う私だって今は偉そうな事を言っていますが、選ぶ対象がいない事を理由に20代後半まで選挙に行っていませんでした。意識が未だ成熟していなかったのかも知れません。それでも最低限、常識的な事は知らなくはなかったのです。時代を考えれば、今はそうのんびりした事を言っている場合ではないのではないでしょうか。
先日某国営系TVで偶然面白い番組を見ました。作家大西巨人の体験を下に軍隊の不条理な世界をあぶり出していく神聖喜劇の特集をやっていたのです。主人公東堂太郎が新兵として配属された砲兵隊で、理不尽な下士官のいじめ、しごきを通して軍隊の持つ矛盾を指摘、超人的な記憶力を武器に組織と戦っていく話です。
国営放送局がここまで国に都合の悪いところに踏み込んでいくのは日本が未だ健全な証拠ではないでしょうか。健全度のバロメーターとして何かをウォッチしていけるのは幸せな事かもしれません。
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