第二次日米経済戦争(2)
アメリカは第二次大戦後の奇跡的な日本復興に戦略的経済的利用価値を見出します。ところが想定外の日本経済、技術力の台頭の前に、アメリカの絶対的優位性を維持する事は困難になってきたのです。80年代からの日米貿易摩擦(第一次日米経済戦争)でも分かるように、本土に上陸して増大するポチを叩く事に躊躇はしませんでした。
急激な超円高誘導を画策し、自動車に於いては現地生産、すなわち現地雇用という実を取り、やっと矛を収めます。この時点では欧州メーカーは殆どアメリカから撤退していました。フェアでないし、第一儲からないと判断したのです。日本は鈍牛のように我慢強く、現地に根を張っていくのです。
安保条約では守ってやると恩を着せ、“思いやり”(?)とかいう胡散臭い予算をたんまり貢がせます。おまけに基地移転の費用まで、日本が丸呑みするのを見透かし莫大な額をふっかけ、肩代わりさせるのです。裏金も入れたら驚くような額が渡っていると言われています。そんなこんなで、どんだけ日本はアメリカに貢いで来た事でしょうか。
更に日本は紙切れにしかならないかもしれない米国債を60兆円も買わされています。対米債券は600兆円にも膨れ上がり(らしい)外貨準備高としては1兆ドルも溜め込んでいるのです。もっと恐ろしいのは金融危機でドルがいくらあっても足りないアメリカから今後継続して大量に赤字国債を買わされるかもしれない事です。恐怖のシナリオはそれだけでは終わりません。
ビッグスリーが潰れそうになると現地の日本企業が狙われる恐れがあります。自由貿易を標榜しながら関税も含め、高課税で嫌がらせをしたり、司法機関が外国メーカーに対して難癖をつける巨額訴訟は以前からありましたが、どんな理不尽な手を使って来るのか想像もつかないのです。セクハラでも過去に三菱、トヨタが巨額慰謝料(トヨタは当時215億円)を請求されていますが、アメリカでは迂闊な事は出来ません。金融工学ならぬ“訴訟工学”にもたけている事を忘れてはならないのです。
今回の危機で、更になり振り構わなくなるでしょうから、余程脇を固めないと国益を大きく損なう事になります。全て国民にそのつけはまわるのです。対米依存があれほど大きい中国だって、したたかにノーはノーと言いますから、必然的に政治力の弱い日本に矛先が向って来る事は想像に難くありません。
今回の大統領選では不幸中の幸いか、どう見てもWASPには見えないオバマさんの、中国びいきは気になるところではありますが、首尾よく大統領になった暁には、悪い取り巻きに影響されず、良識ある行動をとってくれる事を祈ります。知恵も勇気もない日本の政治家に期待出来ない以上、皮肉な事ですが、アメリカの少数派良識人に期待するしかないのです。その場合暗殺のリスクは付きまといますが。。。
第二次日米経済戦争は既に水面下で、日本が不得意とする情報戦という形で始まっています。次の総選挙ではアメリカのポチと思われる政治家をまず排除しなければなりません。。。結果、親中派族議員だけが残るというのもバランスを欠く事になるし、痛し痒しです。・・・
ブログランキングに参加しています。
クリックをよろしくお願いします。
<
| 固定リンク
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 日本人はどこからやって来て、どこへ行こうとしてるのか?(最終回)(2024.08.30)
- 日本人はどこからやって来て、どこへ行こうとしているのか?(5)(2024.08.29)
- 日本人はどこからやって来て、どこへ行こうとしているのか?(その4)(2024.08.26)
- 日本人はどこからやって来て、どこへ行こうとしているのか?(その3)(2024.02.07)
- 日本人はどこからやって来て、どこへ行こうとしているのか?(その2)(2024.01.29)
コメント