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2008年10月13日 (月)

ガルーダ(2)

暫くは大した事もなくクルージングが出来ました。そもそも多少波があってもひるむような連中ではありません。操船を担当するのは実験グループの猛者達です。むしろ楽しんでいるようにさえ見えました。

私もたまに実走テストに参加するのですが、彼らの操縦ときたら乱暴この上ないのです。実験とは言えフルスロットル直進状態からフルステアを切ります。この時の横Gは半端ではありません。さらに、強烈な揺り戻しが来て左右に振られるのです。

大げさではなく、たまに脳震盪を起しそうになりました。勿論遊んでいる訳ではありません。旋回性能のテストをしているのです。そういう訳ですから、我々も彼らの腕を信じ、多少の嵐くらいは屁でもないだろうと思っていたのです。

ところが沖に出て、風雨が強くなるに従って波が高くなってきます。大げさでなく最大15メートルはあろうかというような大波になって来たのです。当然木の葉のような小船は波に翻弄されます。見ていると前を走っていた筈の僚船の姿がありません。しばらくすると舳先を上にして波の間から上がって来るのですが、スローモーションビデオでも見ているようでした。

Photo 私が乗っていた5メーターちょっとのボート(オープンタイプ、スポーツランナバウト)もお尻から海に落ちて行き、衝撃と共に波しぶきが下から襲ってきます。もう駄目かと思った次の瞬間、波に押し上げられる形で空に向かい上がって行くのです。その繰り返しが延々と続き、生きた心地がしませんでした。必至でハンドレールにしがみついているのがやっとだったのです。

数時間の悪戦苦闘の末、大島の港が見えて来た時には奇跡が起きたと思いました。視界がきかない状態で辿り着くとは、とても思えなかったのです。やはり操縦者はただ者ではなかったようです。

島の旅館で、まずは風呂に入って五体の無事を確認します。その後は安堵感からか開放的になり、飲めや歌えのどんちゃん騒ぎ、夜は徹夜で麻雀大会になりました。。。喉元過ぎれば熱さも忘れるノー天気ぶりだったのです。(続く)

(PHOTOはイメージ映像)


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