ノーベル賞をとる為には
村上春樹さんはさぞがっかりした事でしょうが、物理学と化学の分野では一気に4人も受賞する快挙となりました。ニュースを聞いて化学の方は前日の焼き直しかと思ったほどです。
と言いましても、私はそういう分野や出来事に、大して関心がある方ではありません。まして人の受賞には興味がないのです。むしろ周りの国の反応が興味深かったのです。イタリアでは日本に対して随分過激な発言がありましたし、韓国ではなぜ(?)韓国人は取れないのだと、いかにも、らしい報道に一人うなずいていました。
そもそもノーベル賞と言っても、英語で書かれた論文が有利である事から見ても、アングロサクソンの為にあるようなもので、受賞者の数もアメリカ、イギリスに集中しており、英語圏以外の国は蚊帳の外と言っても過言ではなかったのです。流石にフェアでないと思ったのか、最近は色々な国にばらまいているようです。
韓国の報道に戻りますが、韓国日報に興味深い記事がありました。韓国人がノーベル賞を取れない理由として、大学では英語で思考しなければならないのが障害になっているというのです。物理、化学用語が韓国語に翻訳されていないのだそうです。従って英語が堪能でないと研究はおぼつきません。
翻って日本はと言うと、大学でも全て研究は日本語で事足りるのです。その場合は効率よく深い思考が出来るという訳です。成る程、そう言えば韓国は語学大国です。特に英語教育には多くの時間を割いているようで、英語が出来る人の数は間違いなく日本人より多いのです。韓流ドラマでよく見るようにアメリカ留学生の数も半端ではありません。
更に日本語を大学で第二外国語として選択する人も多く、男女を問わず若い人が日本語をしゃべるのに驚かされます。私などもビジネスで大いに助かるのです。ところが外国語学習に時間をとられすぎて肝心の専門教育がおろそかになったのでは本末転倒です。何の為の外国語教育かという事になります。
この話を聞いて「なあんだ、外国語を一生懸命やらなくてもいいんだ」と英語コンプレックスの人は安堵するのではないでしょうか。私も胸のつかえが少し下りた気がします。日本人は堂々と立派な日本語を一生懸命勉強すればいいらしいのです。“それが国益にかなうのだ!!”
確かにどこの国の書物でもまず日本語で読める環境にいて、職に就いている人の99%が英語の出来ない日本人でも、今だに何の支障もなく仕事もスポーツもやっていける訳ですから、インターナショナルとかグローバリゼーションなどという言葉に騙されてはいけないのかも知れません。
そう言えば腹の立つ事に、日本企業に勤めるアメリカ人だって日本語を学習した試しなどないのです。言うに事欠いて、その同じ日本企業に勤める私に対し「もっと英語を勉強した方がいいんじゃないの?」などと、ぬけぬけとぬかしよりました。
外国語は必要な人が必要な時に勉強すればよいのです。即ち高校から先は選択科目にするのが望ましいのかもしれません。。。
(PHOTOは英語が出来なくてもノーベル賞受賞の益川京都産業大学名誉教授)
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