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2008年10月22日 (水)

栄枯盛衰(2)

それにしてもアメリカの金融危機は底なしです。全く先が見えない状況なのですが、自動車産業もタイミング悪く、巨大赤字に今回の危機が追い討ちをかける形で、あのビッグスリーでさえどうなるかわからないと言われています。政府も金融対策が目一杯で、自動車まで手が回らないのではないでしょうか。

9518日産がクライスラーを買収するかもしれないという噂がありますが、フォード、GMは大きすぎて買収や合併もかなわないかもしれません。万が一の事があればアメリカ市民は大ショックを受けるのではないでしょうか。GMと言えば、少し前まで世界一の座に君臨する超名門企業でした。私がこの世界に入った頃の日本メーカーなど、GMの前には虫けらのようなものだったのです。

キャデラックをフラッグシップとするラインアップは壮観でした。特にスポーツカーのコルベットは垂涎の的だったのです。テレビドラマ ルート66でマーチン・ミルナーが運転するのを高校時代に見て、心底憧れたものです。

その名門と、いすゞ自動車が電撃的に業務提携した時の記憶が鮮明に残っています。当時社員であった私は心の中で万歳をしたのです。これでいすゞも安泰だし、何と言ってもGMの最新技術が入って来るという、エキサイティングな出来事に胸躍りました。実際見た事もないような車のスケッチを目の当たりにしてショックを受けたのです。せっせと真似をするしかありませんでした。

それから30数年の時が流れ、いすゞもGMと決別し商業車専門メーカーへと姿を変えました。ドイツにあるGMの最も出来のいい子会社であるオペルは一時帰休で生産調整をしています。他の子会社、イギリスの名門ボクスホールは単なる生産拠点に、オーストラリアのホールデンは生産台数、十数万台と数にも入りません。栄枯盛衰は世の習いかもしれませんが、栄華を極めたものの凋落を見る事は寂しい限りです。
(PHOTOはGM全盛期のスポーツカー、コルベット )


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