結束力
もう15〜6年も前になりますが、家族でアメリカとカリブ海クルーズの旅をした事があります。船に乗る為にオーランドへ行くのですが、ホテルから港までタクシーを利用しました。古いアメ車はぼろぼろで冷房もろくに効きません。おまけに運転手君は腋臭がひどく、後席の家族が気絶しそうな顔をしています。
その運ちゃんは、軍隊にいた頃、日本の横須賀に駐留した事があったのだそうです。その時の事を懐かしそうに「日本人は礼儀正しく親切だ、おまけにお互いに尊敬し合っている」というような事を言っていたのですが、韓国人で日本に駐在した人も同じような事を言っていました。
それは相対比較で言えば多分正しいのでしょう。私も外国では随分イヤな目やひどい目にあっていますから成る程そうかもしれないと思うのです。でも最近日本で起きている事を見ると、その当時の日本から段々遠ざかっているのではないかと不安になります。なぜかは分かりませんが、人間関係が希薄になって来ているのではないでしょうか。
コンピューターやバーチャルリアリティのテレビゲームがそうさせるのかも知れません。あるいは豊かになりすぎて、お互い助け合う必要が無くなり、孤立化が進んでいるのでしょうか(?)結束力などという言葉は死語になったみたいで、皆バラバラに見えます。いずれにしても、人間は時と共に変わる事を前提に物事を考えていないと、将来に禍根を残す事になりかねません。
その運ちゃんはまた、当時の米軍が編成した野球チームと巨人軍が練習試合をしたと言うのです。原選手がいたと言っていましたから、相手は一軍の有志かも知れません。へ〜〜そんな事があるのかと驚いたのですが、当時の原は若大将として人気も実力も全盛期でした。
その爽やかだった原監督率いる巨人軍が今回の日本シリーズで苦杯をなめる事になります。実力均衡の接戦で最後まで目が離せなかったのですが、投手力に勝る西武に軍配が上がったのです。借り物競争的強力打線はいざという時に沈黙しました。
西武は生え抜き中心の若々しいチームです。その一丸となった戦い方は人間関係の密度の濃さを伺わせるものがありました。片や巨人軍はと言うと、確かに生え抜きの若手は育って来てはいますが、中心となるのは外人始め外様のベテラン達です。人間関係をまとめるのは、いかに原監督と言えども難しかったのではないでしょうか。
その微妙な、いわゆる結束力、統率力(?)の差が最後の最後で勝敗を分けたのかも知れません。来年のWBCは、もっと曲者達が揃ったチームをまとめなければならないのです。しかもディフェンディングチャンピオンですから無様な戦い方は出来ません。原監督も知ってか知らずか、大変な役割を引き受けたものです。武運長久を祈らざるを得ません。
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