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2008年11月25日 (火)

先入観?確信犯?

日曜の朝慣例の、報道系ワイドショーTV番組を見ていて、相変わらず日本は外需依存の輸出立国だから円高が大変だと言っている経済評論家がいるのには腹が立ちました。その場の雰囲気もそれを容認しています。これで経済評論家が務まれば楽なもんです。しかも小泉構造改革のツケがまわって、より日本を悪くしていると言うのです。番組の品位が疑われます。

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これは確信犯ではないでしょうか(?)何か腹に一物持ってしゃべっているとしか思えないのです。さもなければ大昔の先入観から脱却出来ていないおバカさんです。いずれにしても評論家失格ではないでしょうか。

前にも書きましたが、金融危機前の統計で日本の輸出はGDP比率8〜13%(1993年〜2005年)です。純輸出(総輸出ー総輸入)は1.4%に過ぎません。近年増える傾向にはありますが、13%という数字はアメリカの次に低く、先進国の中では下から3番目のドイツの35%を大きく引き離しているのです。韓国や中国も35〜40%にも及びます。

しかもその中身が肝心なのですが、日本の場合完成品(自動車、家電製品)や衣料などの消費財は全輸出の40%程度で、残りは資本財(設備や機械など)が占めています。これは何を意味するかと言うと、輸出相手の韓国や中国からの輸出(対米等)が増えれば増える程儲かる仕組みになっているのです。これを迂回貿易と呼びます。

さらに直近の経常収支で言えば、既に貿易収支(10兆円)を所得収支(海外投資収益)が上回って、世界第二位英国の倍以上にもなる12兆円に達しているという事実をなぜもっと言わないのでしょうか(?)これは日本の企業や個人が長い年月をかけて海外投資をして来た成果なのです。しかも円高は悪い事ばかりでありません。

不思議な事に全く報道されませんが、実は円高差益で儲かっている会社の利益総額は、被害を受けている会社の損失総額をかなり上回るのです。以上の事から分かるように、日本は世界で最も輸出減による影響を受け難い国なのです。円高は長い目で見れば確実に国益に繋がるという事をマスコミや評論家はきちんと言わなければなりません。

構造改革に関しても言うに及ばずで、やり方がまずかったり、あるいは霞ヶ関の頑強な抵抗にあったりして結果は伴っていないとしても、やらなくていい訳はないのです。その評論家のバカチンは電波を私物化するのにも程があります。

とにかく日本のマスコミ、評論家は不安心理を煽るのが好きです。悪いシナリオを書いてそちらへ誘導しているとしか思えません。先入観でやっているのなら、あまりにもおバカで不勉強です。そうでなく確信犯でやっているとすれば言論的偏向問題が浮かび上がります。問題の本質を見え難くして何のメリットがあるのでしょうか。

(PHOTOは問題評論家が出ていたテレビ番組のイメージ画像)


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