両雄並び立たず
2007年度(2007年4月〜2008年3月)の自動車生産台数の統計が出ました。過去最高だそうです。国内生産は11,790,059台、内輸出6,769,851台(57%)海外生産11,856,942台です。始めて海外生産分が国内生産を上回った訳ですが、合計2400万台に迫る台数は世界の35%にもなり、他を圧倒しています。
しかもこれらは発展途上国や、黄昏先進国と違って全て国産技術で作られていますから、真水は果てしなく大きい数字となります。このように100%自国で車を開発、生産出来る国は世界でも意外に少なく、日、米、独、仏、伊くらいしかありません。この内、もうすぐ米が落ちますから、4カ国しかない事になります。
さらに、ここに来て仏、伊も怪しい感じになって来ているので、最終的に量産メーカーとしては日独しか残らないかも知れないのです。その場合、“両雄並び立たず”ですから、将来的には雌雄を決する決戦が行われる事になります。テーマは勿論環境です。どちらが先に優れた低コスト、ゼロエミッション(CO2、廃棄物ゼロ)車を市販するかにかかっていますが、メーカー別で見ればトヨタが一歩先んじていると言われています。
ところがドイツは今回の危機に際して、国を挙げてクリーン環境、省エネ化をしようとしているのです。アメリカと違ってドイツが本腰を入れると手強いのではないでしょうか。日本もセコい経済対策などでお茶を濁さず、国を挙げて本格的に環境問題に取り組まないと、世界標準の車版を持っていかれる事になりかねないのです。
折角世界中に築いた生産設備と販売網です。これらを生かすも殺すも日本政府次第という事に早く気がついて、手を打ってくれる事を祈らざるを得ません。勿論他の産業に関しても同じような事は言えます。不景気だと言って縮小方向だけではジリ貧です。
今回の世界的経済危機を逆にチャンスと捉え、良い意味のレバレッジ(梃)を効かせて這い上がる企業、国が次の時代をリードする事は明らかです。そういう意味でも早く解散して新しい陣営を整えるしかないのですが、20%程度の支持率に大して危機感を持っているように見えない総理大臣は論外としても、意識レベルが世界標準に達していない今の政治家の先生方では、どちらに転んでも期待出来ないかも知れません。
(PHOTOはフォルックスワーゲンの試作ゼロエミッションカー)
ブログランキングに参加しています。
クリックをよろしくお願いします。
| 固定リンク
「自動車」カテゴリの記事
- クルマの価格が5分の1になる日(後編)(2020.11.24)
- クルマの価格が5分の1になる日(前編)(2020.11.18)
- BEV(バッテリー式EV)に未来はあるのだろうか?(2020.09.23)
- EV vs HV (後編)(2020.03.27)
- EV vs HV (前編)(2020.03.23)
コメント