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2009年1月26日 (月)

ゼロエミッションカーへの道(1)

この金融危機発の大不況に臨んで、世界中で電気自動車、あるいはハイブリッドカーの開発が加速して来ました。次世代を見越しての事ですが、文字通り怪我の功名と言えるのかも知れません。

そもそもの発端はトヨタが「21世紀に間に合いました」と言うキャッチコピーでおなじみのプリウスを1997年に発売した事によります。自動車関係の人間は、その行動力と大英断に大変驚きました。競合他社にとっては震撼したと言った方がいいかもしれません。当時の世界の技術力とメンタリティは、とてもそこまで行っていなかったのです。

三河商人と言われたトヨタらしくないのですが、まともに採算ベースでプライスをつけると、とても商品にはならないこのパイクカー(尖った車)を何を考えたのか一台当たり数十万円(30〜50万円と言われた)の赤字となる設定とします。それでも同クラスガソリン車から見れば220万円のプライスは随分割高だったのです。

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走らせると、確かにリッターあたり20キロを越える燃費は抜群でした。しかしながら肝心の車としての魅力、例えば動力性能等はかなりスポイルされていたのです。はっきり言って我慢を強いられる車と言わざるを得ません。それを見た欧州メーカーは、ハイブリッドカーをこき下ろしました。クリーンさと燃費で言うならばこれからはディーゼルだと強弁したのです。

これには流石に欧州車贔屓の私も呆れたのです。エンジンベースでは限界がすぐそこに見えています。それにディーゼルから一気にEVと言うのはいかにも無理があるのではないでしょうか。ハイブリッドでデータを積み重ね、電池を改良し、段階的にゼロエミッションカーにCHANGEして行くやり方が筋道として妥当である事は明らかです。

非常に幸いな事にプリウスは、日米の一部ではありますがオピニオンリーダーの支持を受けます。レオナルド デカプリオら有名人が好んで乗る事も幸いし、認知度は徐々に上がって行ったのです。ビジネスとして十分採算を取りうると見たトヨタはクラウンやミニバン等に搭載してベースを拡大します。

追い風となったのは地球温暖化防止キャンペーンと原油価格の高騰でした。一気に盛り上がりを見せたのは2台目プリウスが上市された頃からです。燃費性能、動力性能共大幅にアップし、最早我慢車とは呼ばせない気迫十分の新型は爆発的に売れて行ったのです。

不思議な事にこの間、ディーゼル車などは軽油の高騰等で既に将来構想からドロップしたにも拘らず、世界の名だたるメーカー群からホンダを除いてハイブリッドカーは発売されませんでした。どのメーカーも計画やコンセプトカーの提示だけで一向にその気配さえありません。何社かが言っていた200X年までにEV(電気自動車)もしくはHEV(ハイブリッドカー)を発売するとのかけ声は全て牽制の為のブラフだったと言われても仕方がないのです。

なぜでしょうか。答えは簡単です。商品化するだけのデータ量、技術力が決定的に不足しているのです。量産車に新技術を反映するのはPL問題だけでも大変な事なのです。どういう訳か中国からは出るようですが、これは数字だけで判断しても、なんちゃっての域を越えません。流石に低価格だけは優位性があるようです。(続く) (PHOTOは初代プリウス)


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