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2009年1月 7日 (水)

ポリティカル モラルハザード

刻々と変化する世界状勢、ここ数ヶ月の地球の動きは想像を絶するものがあります。政治経済は勿論、戦争に天変地異、悪い時には悪い事が重なると相場は決まっているようです。なかでもやはり経済危機震源地、アメリカの一挙一動には世界の耳目が集まらざるを得ません。

未だ全容がよく見えていない時期にリーマンブラザーズは簡単に見捨てられましたが、その後の米政府は国有化してでも金融機関は潰さないぞという姿勢に変わって来たようです。瀬戸際の保険会社AIGはなぜか救済され、金融への影響が小さくないビッグスリーも取りあえずは金融安定化資金で急場をしのぎました。

後は今月20日に米大統領に就任するオバマさん次第という事になるのですが、まわってきたツケは決して小さくはありません。下手をすると国内が分裂し、ネガティブイメージで歴史に名を残す事にもなりかねないのです。いかに優秀な閣僚、ブレーンを揃えたところで、今回程の巨額資金を必要とする試練を人類は味わった事がないからです。

Bushpaulson

非常に穿った見方ですが、米現政府及び次期政権を担うトップの連中は十分に現状の認識が出来ていて、それを承知で動いているのかも知れません。どう考えてもひどく大変な職を放棄しないのには理由がありそうです。表には出て来ていませんが、裏で大きな数字が動いている可能性があると言うのです。

例えばリーマンが破綻した事によるAIG のCDS(企業間破綻保険)支払額は公式には60億ドルとなっていますが、そんなに少ない筈はないという試算があります。実際には最低でも2200億ドルくらいあり、政府内に関係者のいる某大手投資銀行は莫大な保険金を、投入される予定の国の資金からAIG経由で受け取っているかもしれないと言われているのです。

すなわち、国が破綻するかもしれない時に特定企業の利益を優先する姿勢が垣間見えていて、その点がどうも専門家筋にはひっかかっているようなのです。本気で国を建て直す気があるのかどうなのか、そこはかとなく不安になるという訳です。もしもよこしまな意思が働いているとすれば、犠牲になるのは国民と、関係諸国です。

じっくり見極めなければならないのですが、世界ダントツの軍事力を持つ国の政治的、経済的モラルが崩壊した時の恐ろしさを、イメージしておかなければならないかも知れません。 (PHOTOはイメージ画像)


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