« 見直されるべき安全保障問題 | トップページ | 嵌められ易い世襲議員(?) »

2009年2月26日 (木)

日本人の限界

麻生オバマ会談のニュースを見て、衝撃が走りました。中川問題の比ではありません。してやられたのです。ヒラリークリントン国務長官のあざ笑う顔が浮かぶようです。

ヒラリーさんは不本意ながら、いの一番に日本に飛んで来て愛想を振りまきました。拉致家族と会い、出来もしない約束をします。皇后とも親しそうにして親日ぶりをアピール、さらに取って置きの土産は麻生さんのホワイトハウス招待です。アメリカは日本を一番重要視しているという気持の現れです。考え過ぎかもしれませんが、この時期「おくりびと」「つみきのいえ」がオスカーを取ったのも偶然ではないかもしれません。

麻生さんとしては願ってもない人気挽回のチャンスと考えても無理はないのです。喜び勇んで専用機の人となりました。莫大な航空運賃は勿論日本国自前です。
E0165379_1301810
オバマさんは施政方針演説の直前で、大変忙しい時間を割いてまで麻生さんに会ってくれたのです。あり得ない事です。さぞ中身の濃い話になるのかと思いきや、何と極々当たり前の総論を交わしただけで終了にしようとします。共同声明すらなさそうです。えっ何しに行ったの(???)

麻生さんとしてはそれだけで終わらせる訳にはいかなかったのでしょうか、オバマさんの袖を引っ張り、椅子の裏側に行って記者に聞こえないようにひそひそ話をしました。。。

その話の中身はおよそ見当がつきます。しかし、そんな事はどうでもいいのです。目上の人間のように振る舞うオバマさんの次の一言が全てを物語りました。「このまま日本に帰るのか(?)それともワシントン見物でもするのか」・・・私は目が点になりました。顔から血の気が引いていきます。さらに冷や汗が背中を流れるのを感じざるを得なかったのです。

一国の宰相、しかも目上の人を1万1千キロの彼方から呼び寄せて、その言い草はないのではないでしょうか。普通なら私が案内しましょう。それが安全上難しければ、時期が時期だけに豪華な昼食会や晩餐会は出来ないが、簡単な食事でも一緒にとりましょう。とでも言うべきではないでしょうか。これでは招待などと言えるものではなく、家来を呼びつけた様にしか見えない。

この件ではっきり分かったのは、日本は表面だけおだてておけば良い、それで十分言う事を聞く、というものです。今回のように著しく礼を失する対応をしても日本人は怒りもせず対米隷属を継続する事を読まれているのです。アメリカのメディアは、殆ど報道すらなしなかったのですが、扱ったメディアは余命幾ばくもない日本の首相が延命のためオバマ詣でに来たとまで言っていました。

この仕打ちは逆に中国や英国宰相に対する逆メッセージと取る事が出来ます。日本を政治的には重要視していない。金さえ出させれば良い、本当に大切なのはあなた達です。その証拠として訪米の時には然るべきおもてなしをします。

これほど露骨に“こけ”にされても日本メディアや政治家は日本人がホワイトハウスに最初に招待されたと喜んでいるのでしょうか。私は今回の件で日本人の限界を見た気がします。これでは国が成り立ちません。プライドのない国に存在価値などないからです。

従って、経済的にはある程度の成功は収めるでしょうが、ズビグニューブレジンスキーが言うように、世界の財布としてバカにされながら半永久的に周辺国へ貢がされていくのです。もう国という名前はやめて日本経済特区とでも言った方が諦めがついていいのかもしれません。


ブログランキングに参加しています。
クリックをよろしくお願いします。

|

« 見直されるべき安全保障問題 | トップページ | 嵌められ易い世襲議員(?) »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

「工業デザイン」のキ-ワ-ドで別の検索をしている中、偶然田中さんのブログに出会いました。田中さんの考えは私と共感するところが多く、ここ1週間新しい内容を楽しく拝読させていただきました。(過去の分を読み返すのは結構大変でした)アカデミ-賞の件ですが、実は私も受賞と聞いて政治色を直感しました。マスコミは色々と要因を書いていますが、私にはどれも腑に落ちないことばかりです。さらにアメリカを実質支配(政治・経済・マスコミ・ハリウッド・・)しているのが、ユダヤ人であることを認識していれば自ずと答えが出ます。もしご存知でしたら失礼とは思いますが、ユダヤに纏わる書籍を読まれると別の世界観(日本も含めて)が見えてきます。

投稿: MATSUO | 2009年2月26日 (木) 08時57分

MATSUOさん有り難うございます。手負いのアメリカがどう動いて来るかは読み難いのですが、日本の動きは手に取るように見透かされているようです。平時でさえ陰謀渦巻く世界、大不況時には更に邪な力が水面下で活発に働いている事は想像に難くありません。もっとストレートに書きたい事もない訳ではないのですが、なにせ実名ブログには限界があります。その辺は察していただきたいと思います。

投稿: 田中 徹 | 2009年2月26日 (木) 17時29分

仰る通りですね。
またコメントの機会があれば書かせていただきます。

投稿: MATSUO | 2009年3月 3日 (火) 08時06分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 見直されるべき安全保障問題 | トップページ | 嵌められ易い世襲議員(?) »