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2009年3月 7日 (土)

富の一極集中

昨日の続きみたいですが、日本の長者番付で、ユニクロの社長 柳井さんがトップとなりました。資産は何と数千億円(!!)ヘエーって感じですが、でもこれなんか未だ可愛いのです。世界には凄いのがいて何兆円という資産を持つ人がごろごろいるのです。

そこで疑問に思うのが、一人一人の人間の能力に、そんなに大きな差があるのかという事です。体力を計っても、知能指数を計っても凄い差というのは発見出来ません。せいぜい数倍程度です。それが資産で言えば一般人の1万倍〜数十万倍もの差がつく訳です。

原始時代にはあり得なかったような差が、文明が発達するに連れ、なぜかついてしまったのです。例えばスポーツ選手で最高年収を誇るタイガーウッズで100億円くらいと言われています。ピークを20年くらい続けられれば、合計2000億円、うまくすれば1000億円以上の資産を持つ事が可能でしょう。

これが会社や団体でなく、個人で得られる富の限界値かと思いますが、そこは世界一の選手で、超人です。むしろ神に近いのかもしれません。残念ながら、私などゴルフではとても勝ち目はないので認めざるを得ないのです。ところが会社経営というだけで特に取り柄のない、ゴルフでも100を切れないようなおじさんが数千億、数兆円の資産というと納得出来ないのです。

当然社員という協力者がいての数字です。一人で稼げる訳はありません。世が世なら全学連あたりから労働者階級からの搾取、保守反動などと後ろ指さされても仕方ないのです。中国の文化大革命時代なら粛正されるかもしれません。会社を発展させた経営手腕は認められて然るべきですが、少しだけの先見の明と、大いなるラッキーがあったからといって天文学的数字を肯定させる根拠としては希薄といわざるを得ないのです。何でそうなるのでしょうか。

アメリカはその強欲さ故に金融システムを崩壊させたと言われていますが、富の一極集中は人間社会にとって健全とは言えないのです。やはり広く薄くが基本ではないでしょうか。中産階級を優遇した方が経済が活性化して成長する事は明らかです。結果的に文化が生まれ、治安も良くなります。

ところがアメリカはその中産階級が、自ら作り上げた身の丈以上の豊かさのイメージを享受する為に、良き時代のお父さんだけが働くやり方から共稼ぎスタイルに変えたのです。これによって収入が増え、物質的には豊かになりましたが、精神面でのケアが追いつかなかったのでしょうか、家庭の崩壊が進む事となります。

それでもなお欲には際限がありません。プール付きの家に高級車複数台を持つ為に、さらなる借金を重ねます。結果的にはそれが度を超してサブプライムローンを始めとする住宅バブルを崩壊させ、今日のような悲惨な状態を招きました。気がついたらとても返済出来そうもない額を皆で失っていたのです。

さらに企業単位でも手っ取り早く儲ける方法を編み出す事に血道を上げ、本来進むべき道を見失っていました。額に汗して稼ぐ事をやめ、ねずみ講的濡れ手で粟大作戦に国を挙げて走ってしまったのです。何事も過ぎたるは及ばざるが如し、逸してしまった、チキンレースにストップをかけるタイミングは、二度と巡って来ませんでした。

稚拙な仮定かもしれませんが、アメリカに五万といる億万長者がもう少し控えめで、自分たちの収入を3分の1から半分くらいまでに抑えていたなら、全く違う展開もあり得たのではないでしょうか。共産主義的考え方を肯定する気は毛頭ありませんが、90年代までの日本型社会主義的資本主義がベストではなかったかと今更ながら思っています。特定個人に富が集中する経済システムは、システム自体が自己矛盾を抱えていると言わざるを得ません。
Photo_2
(PHOTOはタイの友人が送ってくれた海辺のレストラン、カニ料理他たらふく食って飲んで一人900円! これは別の意味で十分リッチです。)


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