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2009年4月16日 (木)

日本の裏技「迂回課税」はアメリカでも通用するだろうか?

昨日の読売新聞は、アメリカの有名なノーベル賞経済学者クルーグマン博士(PHOTO)がニューヨークでの講演で日本に謝罪したと伝えました。日本のバブル崩壊後の日本政府の対策に干渉して、インフレターゲットを定め金融緩和を積極的にやれと言った張本人です。アメリカが今回そういう立場に立った時に、スピーディに動いているつもりでも、なかなか思うようにはいかない、今になって初めて日本の大変さが分かったというものです。
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アメリカは日本に習って大規模な財政出動政策を矢継ぎ早に打っています。ある一定の効果は認められるものの、根本的解決には程遠いのが現状です。日本の場合と比べ、サブプライムローン絡みの不良債権規模が圧倒的に違うのですが、それ以外にも、未だ全容の見えない不良金融商品があったりで、単純比較は難しいのではないでしょうか。

さらに、日本とアメリカでは企業あるいは国民の基本的なものの考え方が180°近く違うのではと、私は疑っています。

一つは不良債権処理です。日本の住宅ローンの場合はあくまでも借入をした個人に責任があり、債務不履行になった場合でも、生きている限り、あるいは自己破産しない限り責任が付きまといます。アメリカの場合は債務不履行になった時点で、自動的に債務は他に移って行く何重にも保険がかけられた複雑なシステムによって個人責任の追及は消滅するのです。

従って今回の様な場合(サブプライムローン破綻)は、一気にどこかの会社が損害を被る事になります。その連鎖が起きてリーマンショックを生みました。また日本の場合(アメリカもそうですが)は即座に預金金利を限りなくゼロにして銀行を守りましたが、預金者が暴動も起こさず、文句も言わずに従ったのです。

結果的には長い時間をかけて、国民が広く薄く負担をし、銀行を救ったのです。逆に言えば銀行救済資金調達の為に一気に高課税、あるいは莫大な国債発行に動けば市場は大混乱し、世界的恐慌の引き金を引いていた事は想像に難くありません。今日の繁栄はなかったのです。一般国民は、その事を知ってか知らずか、10年以上の長期に渡る、言うなれば「迂回課税」に付き合わされたのです。

一方のアメリカと言えば、AIGのボーナス騒ぎに隠れて、ゴールドマンサックスやドイツバンクに支払われたCDS(Credit Default Swap)積算分の額は膨大なものです。一説によるとゴールドマンサックスだけで5000億円とも言われています。これは政府がAIGに注入した金融安定化資金1730億ドルから支払われた事は言うまでもありません。

そのお陰で先頃ゴールドマンサックスの09年度第一四半期決算では1800億円もの純利益を計上する事になりました。政府からの借入も近いうちに返済すると豪語しているようです。でもよくよく考えれば政府のお金を回しているに過ぎません。結果的にはゴールドマンサックスのボーナスもAIGと同じ性質のものと言えます。とんだ猿芝居ではないでしょうか。

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この狡猾なやり方で莫大な富を手にした人がGSや(おそらく)政府関係者にもいて、泣いている国民の影で笑っているのです。日本人のメンタリティからは信じ難い事です。

こういう事実を許している、言わばポリティカルモラルハザードを起こしているような国が、日本のように我慢強く何十年もかけて立ち直る為の努力をするとはとても思えないのです。

オバマさんだって、知らなかったでは済まされません。裏事情には精通している筈です。だとすれば見事な役者ぶりではないでしょうか。近年のアメリカ大統領選挙は、猿芝居役者の人気投票になり下がっているのかも知れません。

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