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2009年4月21日 (火)

タラレバ

タラレバというのは、鱈のレバーは美味しい、などという意味ではありません。恐らくゴルフ用語ではないかと思うのですが、私なんかはしょっちゅう、「OB杭が1メーター横で、あのOBがなかったら」とか「あそこで、あの短いパットが入っていれば」と少しでも架空の世界でスコアを縮めようと、せこい計算の根拠にしています。

Patting_green01
タラレバが全部本当だったら、私なんかとっくの昔にプロゴルファーになれていると思うのですが、タラレバ派が全員であれば、この仮定は成り立ちません。皆のレベルが平行して上がるだけです。やはり夢は夢でしかないのです。。。一体私は何が言いたいのでしょうか(?)そのタラレバを経済に持って来るのもなんなのですが、もし日本の企業が〜〜だったら、というのをやってみたいと思います。

日本の金融業を除く企業の内部留保が141兆円あるとされています。その筆頭がトヨタで12兆6千億円もあるのです。内部留保というのは、純利益の積算ですから、随分儲かっている事になります。例えばトヨタグループ全体の社員数が32万人なので、頭数で単純に割っても一人4000万円にもなるのです。という事はもしこれを給与として全て10年間で配分していたら、400万円の年収アップになります。

12.6兆円を給料に払っていた場合は、企業の納税額が全く違って来ますから、現実的にはもっと支払が出来る事になります。税金は個人から払う事になって、トータルでは納税額に大きな差はないのではないでしょうか。従って以下の計算は、追加分に関しては手取額を前提とします。

トヨタグループでの平均年収が820万円(税込)ですから、400万円プラスすると合計1,220万円にもなるのです。貯蓄率が10%として360万円可分所得が増える事になります。これだけ消費に回れば内需が凄い事になっていたのではないでしょうか。

これを日本全体にすると、141兆円の90%=約127兆円で、1年で12.7兆円になります。これは完全に真水ですから、乗数効果は極々少なめに見積もっても2は期待出来るのではないでしょうか。12.7 X 2 = 25.4兆円、GDP比(10年間の平均を500兆円として)で、何と5%にもなるのです。

その後9年間で、単純な足し算だけでも100兆や200兆は企業の売り上げが増えていたであろう事は想像に難くありません。内需拡大に多大な貢献をした事は明らかです。実際は波及効果や、乗数効果がもっと大きいと思われますが。。。

現実はと言うと、トヨタの場合は実は内部留保の12.6兆円は殆ど残っていないのだそうです。海外などへの生産施設の投資で消えているのです。年産1000万台体制を狙っていたので強気の投資だったのですが、結果論とは言え、今回の金融危機では、お陰で大変な事になりました。

タラレバの方とは随分結果が違うようです。あくまでもタラレバですから、死んだ子の歳を数えるような事をしても詮無いのですが・・・まあ世の中には似たような事は一杯ありますから。

今後は、あのタラレバが、、、と言われないように政府や経営者に頑張って欲しいと思われた方、クリックをお願いします。

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