ビッグスリーの近況
アサヒネットニュースによりますと、米財務省は米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)に対し、6月1日までに破産法適用の申請に向けた準備を進めるよう指示しているそうです。
ニューヨークタイムズは、GMの計画について説明を受けた関係筋の話として、GMが約280億ドルの債務交換で債券保有者と合意できなかった場合や全米自動車労組(UAW)との合意に達しなかった場合に、破産法適用申請の用意が整っていることを確実にするのが準備の目的と伝えています。
いよいよ来るべき時が来るのかもしれません。同紙によると、検討されている計画では、破産法適用申請後にGMの「優良」資産を買い取る新会社が設立されると言うのです。魅力のないブランドや工場、医療保険債務などのあまり好ましくない資産は旧会社に残され、数年かけて清算されてしまいます。
具体的に何が消えて何が残るのかは分かりませんが、GMのシンボルであるキャディラックやシボレー、SUVの人気ブランド、ハマー(PHOTO-ハマーH3)などは残るのではないでしょうか。いずれにしても全く雲散霧消してしまう訳ではないので、ほっとしている向きも多いと思います。日本メーカーも固唾をのんで見守っていますが、現地に投資した部品メーカーなども、自らの存亡がかかっているビッグスリーの動向から目が離せません。
一方フォードは先頃、債務の株式化などで99億ドル(約1兆円)の債務を削減すると発表しました。自力再建の道が開かれ暫くは安泰(?)のようです。クライスラーもフィアットとの提携話が進行中ですが、こちらも縮小はされても存続する可能性が高くなりました。
08年の販売実績がクライスラー201万台、フィアット224万台ですから、フォードに次いで世界ランク6位に踊り出る可能性があります。米の需要が1000万代時代に、シェアの配分が気になりますが、やはり環境対応車に強いメーカーが伸びるのではないでしょうか。ハイブリッドカーを持つトヨタ、ホンダは言うに及ばず、日本車は総じて安泰と言えます。
米で日本車のシェアが50%を越える日も近いと思われますが、私がこの業界に入った時には夢にも思わなかった事が現実に起きようとしているのです。本当に世の中一寸先は闇です。
因にトヨタの連結での生産台数は2010年3月期で650万台と予想されていますが、これはピーク時2007年870万台から見れば25%ものマイナスになります。恐らくここが底で、各国政府による買い換え支援もあり、Uターン回復とはいかないまでも、じわじわと戻して行くのではないでしょうか。ピークの870万台に戻るまでに何年を要するのかは想像もつきません。
好材料としてはホンダもトヨタもハイブリッドカーの受注が好調です。次期プリウスは受注開始から2週間足らずで20000台という驚異的な数字を叩き出し、関係者を驚かしているようです。更に株価に関しては完全にUターンしており、トヨタは3000円を底に、4000円台を回復、5000円を睨む展開となって来ました。
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