アンタッチャブル財務長官ガイトナーの役割
やっと豚インフルが収束し(?)世の中静かになったと思ったら、今度は朝鮮半島周辺がかまびすしくなって来ました。更に米では最終局面のGM動勢から目が離せなく、インフルエンザどころではないのかもしれません。
そんな中、ニュースはティモシー・ガイトナー米財務長官(PHOTO)が日本をパッシングして中国へ行ったと伝えています。さらに米の駐日大使は噂されていたスマートパワー提唱のナイ氏ではなく、聞いた事もないオバマさんのお友達に決ったそうです。ここに来てアメリカの日本に対するスタンスが露骨に見えて来たのですが、米の良識派の反対を無視して本気でG2を考えているのかもしれません。
ガイトナーさんは5月の中旬にギリシャで開かれたビルダーバーグ・グループの年次会議に参考人として呼ばれたそうです。白人だけの特権支配階級が集うこの会議の目的はよく分かりませんが、黄色人種や黒人に聞かれてはまずい事を話し合っているのではないかと詮索の対象になっているようです。
その会議の結果を持って中国へ飛んだのか、あるいはそれとは無関係なのかは知る由もないのですが、GMの破綻が決定的となったこの時期、タイミング的に微妙である事は確かです。それと呼応するように東アジアでは不穏な動きが相次いでいます。北の将軍様はいよいよご乱心召されたのかもしれません。(冗談でなく)
ところで金曜日のブログで、近い将来アメリカがデフォルト宣言するかもしれないと書いたところ、全てドル建て国債を発行しているアメリカがデフォルトする筈がないというコメントを疾風三号さんからいただきました。確かにおっしゃる通りです。いくらでもドルが刷れるのにわざわざ破綻する必要はないのかもしれません。
疾風三号さんも書かれていたように、怖いのは超インフレです。それさえ制御出来れば何も怖いものはないでしょう。ところが実際には秒読みとなったGMの破綻などが引き金となり、天文学的と言われるCDSの支払いに耐えきれず、政府の限界をも超えた金融連鎖倒産が起きた時はどうでしょうか。
日本なら、それでも何とか治安は維持出来るのかもしれません。怖いのは州単位で独立性を保とうとするアメリカのシステムと、個人の利益を優先する米人のマインドです。政府の押しつけに反発して最悪の場合、内戦に至る事もあり得るのではないでしょうか。(政府も州もそれを想定して、準備をしていると、かねてから言われていました)
そういう最悪の事態を避けるにはデフォルト宣言か、一方的な新札発行による切り下げ、あるいは新通貨アメロによる北米経済圏設立、くらいしか浮かばないのですが、アメロはユーロが不況時には小回りが利かない点を今回露呈し、共通通貨のメリットに関しては懐疑的にならざるを得ない状況を見ると、この中では一番可能性が低いのではないでしょうか。
効果は一時的、あるいは限定的かもしれませんが、デフォルトか新札発行による実質ドルの切り下げは十分あり得る選択肢です。どちらにしても、債権国にとっては大変な損失になります。特にデフォルトされて一番困るのは中国と日本で、併せて130兆円くらいの米国債と、その他莫大なドル資産があるのです。
この場合、最近の米政府の日本に対する姿勢を見ても明らかなように、日本に対して気遣いをする気配はありません。なぜなら植民地から搾取するのは当たり前で、勿論文句を言う人もいないし、攻撃される心配もないからです。
一方の中国はどうでしょうか(?)とても「ああそうですか」では済まないのです。そうなったらG2もクソ(失礼)もありません。戦争にだってなりかねないのではないでしょうか。中国に対して、今まで散々調子の良い事を言って利用して来たアメリカが一番恐れているところは正にそこなのです。
日本にとってアンタッチャブルと言えるガイトナーさんが日本をパスして、中国で胡錦濤主席達と何を話し合うのかは知る由もありませんが、巷間、デフォルトの場合は損失補填をするのではないかとささやかれていた事を考えると、近く起こるであろう穏やかならざる事態に対する、何らかの根回しに行ったと推察する考えに無理はないのかもしれません。
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