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2009年5月15日 (金)

ハイブリッドカー(HV)の時代

日本の4月の新車登録ランキングで初めてハイブリッドカー(HV)がトップに立ちました。低価格とスポーティさを売りにしたホンダインサイトが1万481台を記録したのです。2位もホンダフィットですが、新型プリウスが出て来るまでの間はホンダの天下が続くのではないでしょうか。

ホンダは2010年代前半にハイブリッドカーを世界で50万体制に持っていくと言っていますが、トヨタと併せると国内では1/3くらいまでは時間の問題ではないでしょうか。さらに三菱やSUBARU、日産などからはEV(プラグイン電気自動車)が発売されますから、日本の空は限りなくクリーンになって行きます。

問題はディーゼル車です。石原都知事による革命的対策後でも、環境的な問題が解決された訳ではありません。HVやEVと比べれば見劣りするのは明らかなのです。この件、詳しい話はいずれしたいと思っていますが、いずれにしてもヨーロッパが言っていたようなクリーンディーゼルは軽油の価格が上がってしまえば元の木網です。早く見切りをつける事をお薦めします。

ところが残念な事に、アメリカもヨーロッパもHVやEVの開発では遅れを取ってしまいました。特許はトヨタとホンダががんじがらめに押さえています。ヨーロッパは、特にドイツですが、クリーンディーゼルと燃料電池車(FCEV)に固執し過ぎたのです。アメリカは遠の昔に試作レベルではHVを完成していましたが、石油産業に潰された経緯があります。最もビッグスリー自体も儲けの大きいSUVや大排気量車に色気があり過ぎ、未来予測を誤った事も事実です。自業自得のそしりは免れません。

さて、今後の見通しですが、HVは当初、燃料電池車(FCEV)までの短期の繋と思われていました。プリウスなども商売としてはいかがなものかとトヨタ社内でさえ懐疑的だったのです。どちらかと言えば、全方位フルラインナップ的商品開発作戦が奏功したのではと思っています。即ち可能性のあるものは全て試しておこうという、何でも欲しがるマミちゃん的発想からの“駒”だったのです。

タイミングがよく、少し怪我の巧妙的ではありましたが、HVがここまで世界を変えると想像した人はいませんでした。なぜなら余りにも構造が複雑怪奇で非効率だからです。何でモーターとエンジン両方を積まなければならないのでしょうか。おまけに高価で重いバッテリーを一つ余分に持たなければならないのです。普通の考えならば二の足を踏んで当然です。

素直に燃料電池車(FCEV)の開発に向かうのが自然なのです。開発力のあるメーカーはFCEVの開発にしのぎを削りました。既に世界でも数社、日本ではホンダ(PHOTO)やトヨタもこの究極のエコカーと言われるFCEVを完成しています。ただ一点の問題は、燃料となる危険極まりない液体水素、又は固形水素をどう扱うかという点で解決策が見えていない事です。

さらに水素を電気分解する過程で化石燃料を使ってしまえば意味が薄れます。インフラの整備も国家的大事業になりかねません。余りにもシステムそのものが重厚長大に過ぎるのです。従って現時点ではFCEVの普及は早くても20〜30年先ではないかと言われています。
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ただ、その予測もかなり流動的と言わざるを得ません。EVの動向次第では重厚長大なHVや燃料電池車は駆逐されるかもしれないからです。一番構造がシンプルで設計的自由度も大きいEVは、日本が得意とするリチウムイオン電池の高性能化などによって大化けする可能性があります。そうなれば従来の自動車の重厚長大産業でなくても開発、生産が可能になり、自動車を取り巻く環境は劇的に変わるかもしれないのです。

先行重厚長大メーカーのアドバンテージが失われかねない、そういった事態に対応する為にホンダやトヨタはHVの効率アップ、魅力アップに血道を上げてくる事は想像に難くありません。限りなくEVとの境が無くなる事も予想されます。その結果、暫くはHVが主役で、乗り遅れたメーカーは悲哀を味わい、あるいは淘汰されますが、5〜10年先は案外EVに主役の座を空け渡しているかもしれないのです。

いずれにしても日本の自動車メーカーの天下は続くのだと思われた方、クリックをお願いします。

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