プラグイン シリーズハイブリッドカー
5月28日の続きになりますが、HV(ハイブリッドカー)EV(電気自動車)はこれからの10年くらいで飛躍的に増え、性能が上がり、コストが下がる事が予想されます。HVはプラグインが大勢を占め、高密度高出力 リチウムイオン電池を搭載し、片道20キロくらいの通勤圏であれば、ガソリンを使う事なくEV走行が可能になるのです。
その場合のコストは家庭で充電した場合、ガソリンの1/5程ですから、経済的優位性は圧倒的となり、EVと肩を並べます。長距離さえ乗らなければ、EVと全く変わらない訳です。一方のEVも電池やモーターの性能が上がり、コストが下がって来ますから、限りなくHVに接近して来る事になります。
問題はEVの場合は充電に時間がかかる事です。フル充電に一晩を費やし、200キロも走らないのでは、長距離走行に向いているとは言い難いのです。ドライブの途中で充電スタンド(PHOTO)に立ち寄り、充電に何時間もかける訳には行きません。
急速充電の場合、10数分間で70%程度の充電が可能となりますが、ガソリン補給に比べればハンデは明らかです。カートリッジタイプで電池交換という案もあるようですが、電池の出力や形状をモジュール化しなければならず、メーカー間の調整が必要です。年々進むであろう小型化にどう対応するかという問題もあり、簡単にはいきそうもありません。
50年単位の将来的には、そのあたりの問題は解決出来ると思われますが、当面は何か手を考えなければならないでしょう。一つの解決策として、充電用の小型エンジンを積む事はあり得るかもしれません。HVの場合、モーターとエンジンが複雑にコントロールされながら両方共動力源となっているものをパラレルハイブリッドと呼び、今の主流になっています。
HV開発初期の頃は、充電用エンジンを積み、動力はあくまでもモーターのみ、というのがあり、これをシリーズハイブリッドと呼んでいたのですが、このシステムはコストも含めた電池性能が上がって来ると、商品として十分成立可能なのです。
要するにプラグインEVに発電機を搭載したものと何も変わらないのですが、HV,EVの近未来(10〜20年先)は、このシステムで統一されるかもしれません。私はそういう気がしています。
家庭で一晩充電した後、通勤なら電気のみで、長距離走行は途中からエンジン(発電機)による充電を行いながら走る、これなら充電スタンド等のインフラも殆ど必要なく、トータルの燃料消費料も限りなく低く(50Km〜無限/リッター)なります。妥協点として、かなりいい線と言えるのではないでしょうか。
世界中が、このシステムを経由して未来型EVに移行するなら、危険な水素を燃料とし、インフラ整備も半端でない燃料電池車(FCEV)は、本当に必要なのだろうか(?)と思われた方、クリックをお願いします。
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コメント
全く同感です。
プラグインハイブリッドの最適解だと思います。
どこかで開発しないかと期待しておりました。
開発したスズキに敬意を表したい気分です。
一刻も早く発売していただきたいものです。
同方式で軽自動車にも展開されると最高ですね。
投稿: 浅見憲一 | 2009年10月11日 (日) 07時55分
1970年代にトヨタはじめ数社がシリーズハイブリッドのプロトタイプを発表していたのに、何故、P-IN+シリーズHVと言う車が出てこないのか不思議でした。今や模型飛行機用の小型タービンエンジンがあるくらいなので、タービンエンジンを使ったシリーズハイブリット出て来ないかなー、未来的でスマートですよね。
投稿: seafury | 2010年12月 9日 (木) 21時14分