タイガールール
石川遼君の快進撃が始まりました。予想外の健闘です。何とあの世界一のタイガーと一緒に回って、タイガーを上回る結果を残す、何という17才でしょう。プレッシャーを楽しむ事が出来る、いやバネにさえ出来る特異な精神力の持ち主です。爪の垢でも煎じて飲ませて欲しいと思っているオヤジゴルファーは私だけではないのではないでしょうか。
それにしてもリンクスと言われる英国特有のコースは、深いラフにたこ壷バンカー、狭いフェアウェイ、硬く早いグリーン、初日は風こそ強くなかったものの、いやらしさ満載です。ちょっと間違えば、あのタイガーをもってしても、たちどころにダブルボギーとしてしまう、正確無比なショットとタフな精神力が要求される事は疑いようがありません。
流石のタイガーも調子そのものがよくないのか、初日は仏頂面が気になりました。いくらただで手に入るとは言え、クラブを放り出す所作は感心しません。時々地面を叩いたりしているのは、地球のせいにしているようで、もっと感じが悪いのですが、16日のラウンド中、看過出来ないシーンを見てしまったのです。
同組のリーウェストウッドとタイガーが揃って、グリーン手前のクリークに捕まったインコースのあるミドルホールです。遼君は安全にクリークを避け、ピン左に2オンしていました。タイガーは得意のアプローチも上手くいかず、ダブルボギーを叩き、通算でオーバーパーになってしまいます。さぞ自分に腹が立ったのでしょう。ホールアウト後、スタスタと歩いて次のホールに向かうではありませんか。
あれっと思って見ていましたが、一向に止まる様子はありません。橋を渡って振り返る事もなく去ってしまったのです。さらに、日本ツアーで何回か優勝し、日本に恩がある英国人のリー君までが、恩知らずにも後を追うではありませんか。そこで私の脳みそはフル回転して、このシーンの点検を始めます。インプットされている情報は、同じパーティの人がホールアウトするまでグリーンを動くべきではないというものです。
恐らく紳士の国のスポーツですから、スコットランドのプレイヤーは間違いなくそのエチケットを守るのではないでしょうか。いや、日本のアマチュアゴルフでもエチケットに関してはうるさく言われますから、プロのタイガーが知らない筈はありません。まして世界一のプレイヤーが動いたらギャラリーもつられて動く事になります。一人残されたプレイヤーはグリーン上での繊細な作業が、この上なくやり難いのです。
日本のLPGAなどでも、先にホールアウトしたプレイヤーがギャラリーの動きを制しているシーンをよく見かけます。やはりそれが万国共通のエチケット、マナーではないでしょうか。アメリカだけ違うという事はないと思うのです。これは、、、タイガールールかもしれません。
恐らく遼君は一言も口に出して、憧れの先輩の悪口を言う事はないでしょうが、内心「あれっ」と思ったのではないでしょうか。爽やか青年の夢を砕くような態度は残念ではありますが、幻想が消え、返って吹っ切れるのかもしれません。そうだタイガーなんか負かしてやれ(!!!)
そう言えば、日本のマスコミも人気者や実力者に対してはチヤホヤしますが、落ち目になると叩きまくります。その逆が出来れば尊敬されるのだけどなあ、、、と思われた方クリックをお願いします。
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