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2009年7月31日 (金)

日本の「一分」

政党間の醜いあげ足取り合戦が展開されています。政策に関しては、全くやる気の見えない外交、防衛を除けば、所詮は五十歩百歩と言わざるを得ません。特に財政問題に関しては自民、民主共に落第です。酷いのは民主党で、まるで中学生が作ったような政策です。いや、むしろ中学生に失礼になるかもしれません。

基本的に分かっていないところは、財源問題です。民主党案は無駄を省き、足りない分は増税というスタンスですが、それではGDPの枠内でのやり取りという事にしかならないのです。500兆円のGDP枠内で、予算が100兆円必要だとして、500−100にしてしまっては、民間の消費活動分は400にしかなりません。

この資金の移し替えでは、いくら景気対策をしても意味がないのです。例えば予算100の内、50を財政出動とすれば民間の消費活動は450となります。合計で550となりますから、単純計算で前年比10%成長となるのです。民主党案は分かり易く言えば、民間分の450は肯定するとして、その上で、政府予算の100を50に節約しようというものです。

これで福祉をやれという方が無理です。国として国民に何もしてあげられなくなります。GDPも500を維持する事になり、成長はゼロです。「無責任なことを言うな、財源はどうするんだ」という声が聞こえてくるような気がします。事実500+αにしなければ成長しないと分かっている筈の自民党内だって、舛添さんや与謝野さん始め、民主党的考えの人が多いのです。その上で、非常事態だから赤字国債は仕方がない、とでも言いたいのでしょう。
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本当にいい加減いやになるのですが、何度でも言います。政府には紙幣発行権という、禁断(?)の打ち出の小槌があるのです。あるいは国債の発行を指示する権限、又日銀にその国債を買い取らせる権限、実に物凄い権限ではないでしょうか。

勿論ジンバブエのような国が、「禁断の打ち出の小槌」を使うとどうなるかは、論を待ちません。えらい事スーパーインフレになった事は記憶に新しいのです。それを見て、日本も、と言う学者や議員さんがいるのには、阿鼻叫喚、驚天動地、むせくり返ってしまうのですが、頭の中を覗いてみたいものです。

売る物もないのにお金だけ刷ればどうなるかは明らかです。分を知らなければなりません。では日本の「分」はどれほどかという事になります。あり得ない話ですが、通貨を現GDP同等の500兆円増やした場合、単純計算ですが、物やサービスの供給が全く増えないと仮定しても物価は二倍にしかなりません。

ハイパーという言葉からは程遠いのです。更に、物サービスの供給量が、生産者側が必死に頑張って20%くらい増やしたとすれば、1.66倍です。もっと頑張って100%増やせば、物価上昇は無くなる訳です。そこまでは無理だとしても、天才経済学者、丹羽春喜教授は400兆円のデフレギャップがあると試算していましたから、その場合だと物価上昇は25%にとどまります。

以上の事から、恐らく日本の「分」としての正解、いわゆるデフレギャップは、現GDPの20〜80%の間にあるのではないでしょうか。私などの中小企業をベースに考えれば、実感として20〜40%の受注増には耐えられそうな気がします。しかしその場合は、外注比率が必然的に上がって来ますから、実質10〜20%がいいところではないでしょうか。

では大企業の場合はどうでしょう。とてもいきなりの40%もの受注増に耐えられるとは思えないのです。今回のような急激な需要の落ち込みがあれば話は別ですが、平時ならばせいぜい20%が限界ではないでしょうか。

従って、年間で500の20%=100兆円くらいの財政出動をしても、インフレにはならないというのが、日本の「分」ではないかと思われます。100兆円の財源に関しては、政府紙幣がベターですが、国債増刷でも問題があるとは思えません。白川さん辺りの精神的負担にならないやり方で行けばいいのではないでしょうか。

その場合、やはり分配の仕方が問題です。直接個人にばらまいて、味をしめられても困ります。日本自立の為の一歩、未来型公共投資がベストである事は疑う余地がありません。ケインズ式穴堀型公共事業では、未来に利益が還元される事はないし、自立の助けにもならないのです。ガラパゴス型、超先端環境省エネ技術開発及び、その為のインフラ投資が「禁断の打ち出の小槌」にふさわしい使われ方ではないでしょうか。

本当は、アメリカがG2を声高に言っている現在、それにプラスして防衛産業への投資をすれば鬼に金棒なのですが、内外からの抵抗が物凄い事になりそうです。もっとも日本の政治家に、それを期待する方が無理というものでしょうが。。。

とにかく、一回インフレになるくらいまで、思い切って財政出動してみろ、と思われた方、クリックをお願いします。

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