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2009年9月11日 (金)

思い込み

相変わらず、「日本は資源のない貿易立国だからトヨタのような耐久消費財の輸出産業が痛手を受けたのが今回の大不況となった」式の論調が多い事に驚かされます。更に民主党や多くの経済評論家は、外需頼みの日本は外需が伸びない今、内需を拡大するしか成長の道はないが、財政出動無しに内需拡大を計らなければならないと無茶を言うのです。

資源がないというところにまずひっかかります。資源とは何をさすのでしょうか。資源が全て揃った国なんてあるのでしょうか。中国などはレアメタル始め内陸部は資源の宝庫のようですが、大陸棚も含めた海洋資源に関しては日本などに遠く及びません。海軍力の強化をしているのは、海洋における縄張りを広げようとしているのでしょうか。

勿論化石燃料始め、レアメタル等の資源は重要です。沢山持っているに越した事はないのです。面白い話があります。ある国がその昔、大国Aにそそのかされてある資源を買い漁ったのだそうです。倉庫に山盛りとなったその資源に大層満足していましたが、何年か後、入りきらなくなったので一部を売りに出しました。

ところが長年貯蔵していた為に、その資源の価格が下がっていて、買ったときよりも安い値段でないと売れなかったと言うのです。資源の価値が未来永劫同じ、あるいは上がり続けるというのは幻想に過ぎません。時代が求める資源は当然変化するのです。

従って一番貴重な資源は言うまでもなく、価値の変化をもたらす存在、即ち人間である事は明らかです。日本の場合は人的資源は勿論、天然資源にだって実は恵まれているのです。前にも書きましたが、日本近海は天然ガスや石油の埋蔵量が世界有数だとされています。

だからこそ民主党が推進する外国人地方参政権は危険なのです。日本の周りは無数の島で囲まれていますが、そこに移民が入って参政権を取ったとしたら、しかも人口が少ない島では過半数にだって、その気になれば出来ます。その結果EEZは、、、後はご想像にお任せします。

話は横道にそれましたが、日本は今や広義においては資源のない貿易立国とは言えないのではないでしょうか。勿論輸入に頼らなければならない資源や物は数多くありますが、今くらいの依存度であれば日本が特別とは言えません。例えば中国や韓国始め、多くの途上国は優れた日本の資本財、生産財がないと輸出用消費財の生産がおぼつかないのです。これを迂回貿易と言いますが、これだって資源のようなものです。
Product02
その機械や産業用ロボット(PHOTO)、設備等である資本財や、鉄鋼、半導体などの生産財だけで全輸出の80%(2005年当時)も占めている事は意外と知られていません。耐久消費財輸出は、多いと言われる自動車の場合で、最盛期に全生産台数の25%に過ぎませんでした。半分以上は海外で生産されており、残り500万台が地産地消となります。

日本の、GDP比で15%程度の総輸出額は率で言えば先進国中、米に次いで下から2番目です。消費財はその内の20%(GDP比3%)ですから依存度としてはマスコミなどで騒がれている程ではないのです。対米はその内20%程度、という事は世界の20%以上をしめるアメリカのGDPから見れば、対米依存という意味でも決して高くはない事が分かります。

全輸出から全輸入を引いた純輸出はせいぜいGDPの1%ちょっとでしかない事から分かるように、実は日本は昔から内需で経済成長して来た国なのです。その要因は物の生産力であり、サービスの量的拡大である事は間違いないのですが、それらをリファイン(改良)する、あるいは新たな価値を作る創造力と技術力がベースになければ、日本の様なスタイルの経済成長は望めないのです。(ここがミソです)

世の中の変化を見ようともせず、いつまでも昔の思い込みだけでものを言い、世の中をミスリードする政治家やマスコミ、評論家の存在は困ったものですが、古いノートや書物を頼りに教えている学校の先生だって怪しいものだ、と思われた方、クリックをお願いします。

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コメント

>日本の、GDP比で15%程度の総輸出額は率で言えば先進国中、米に次いで下から2番目です。消費財はその内の20%(GDP比3%)ですから

GDP500兆円とすると、総輸出額は75兆円、その内消費財は15兆円ですか。
いずれも絶対値は、かなり大きい数字ですね。

生産財が60兆円としても、海外進出企業の為の生産財輸出が半分位在るのでしょうか。その比率によって見方が変わりますが。

そして2008年の経常収支は15.8兆円で、その内の所得収支が11.8兆円なので経常収支の大半を所得収支が占めることになりますね。


>2007年度は16兆円(貿易収支12兆円)2008年15.8兆円(貿易収支4兆円)もあり、世界一の所得収支(11.8兆円)を誇るのです。<思い込み2より>

昨年は貿易収支が4兆円に急減しているのが気懸かりです。

大変参考になる視点でした。
有り難うございます。

投稿: EV三男 | 2009年9月30日 (水) 20時39分

EV三男さん、詳しく読んでいただき有り難うございます。専門家でもない一デザイナーのブログですが、何かの参考にしていただければ幸いです。
さて、生産材分の海外進出企業分はそんなに多くはないのではないでしょうか。現地調達比率が定められるケースが多く、無制限に輸入は出来ないと思います。
貿易収支はマイナスにさえならなければ問題ないと思います。所得収支に関しては、物の売買と違って目立たない利益として有効ですが、これも儲け過ぎは危険です。何事も程々がいいのではないでしょうか。

投稿: 田中 徹 | 2009年10月 1日 (木) 17時44分

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