財政破綻待望論
今朝の日テレ「ウェークアップ・プラス」は当ブログ「ターニング・ポイント」でも扱ったように、日本の政治の流れの変化を如実に感じる事が出来ました。民主党が小沢幹事長を中心に強力に推進しようとしていた「永住外国人地方参政権付与法案」が風前の灯のようです。
出演していた民主党原口総務大臣(PHOTO)の顔つきが違って来ているのに驚きました。いえ、しょぼくれたのではなく、自信にあふれているのです。何があったのでしょうか。しかも当法案に慎重な姿勢を露にしているのですが、最早小沢幹事長の影響力は限定的なのでしょうか。
最初に出演メンバーを見た時には、丁々発止があるのかなと思ったのですが、拍子抜けです。全員が否定的、あるいは慎重な態度を示したのです。これで日本にとって最悪の事態は避けられるかもしれません。この法案が通れば、目白押しの「外国人住民基本法」等の売国法案が次々と採択される危険性がありました。
中ではビデオに出て来た亀井さんの言葉がひっかかったのですが、「反対だが、帰化条件を緩和する事は必要ではないか」と言うのです。あれっこの人ちょっと???という感じです。国家主権に関わる事は、慎重が上にも慎重に行くべきです。法律をコロコロ変えるのは感心しません。
この番組は、経済に関しては相変わらず、トンチンカンな事を言っています。特に司会の辛坊治郎が酷い。。。「アメリカには色々欲しいものや魅力のあるものがあったが、日本には欲しいものがない、だから需要不足だ」とのたまうのです。
供給力はあっても、日本製品はガラクタだらけだと言いたいようです。だから貯蓄に走って物を買わないから不況になるのだそうです。分析不足も甚だしいのではないでしょうか。私見にせよ根拠のない事をTVで司会が言うのは問題があります。
私なんか全く逆の見方です。日本の製品やサービスは欲しいものだらけです。前にも言いましたが、まず「免震インテリジェント、セキュリティハウス」車も夫婦で3台くらいはあってもいい、カッコいいあんま機もそろそろ欲しい、その他、ゴルフも毎週したいし、美味しいものも食べたい、欲しいものを数え上げればきりがありません。
じゃあなぜ、そういう生活が出来ないのでしょうか。それは95年比で100万円も減った平均年収が大きく影響しているのは明らかです。従って国民は貯蓄に走っている訳ではありません。単純に可分所得が減ったのです。1400兆円もあると言われる個人金融資産は富の偏在以外の何ものでもありません。
これは課税制度の問題で政府の課税姿勢が問われますが、取るべきところからきちんととって来なかったつけが財政赤字に回っているのです。ただ、だからと言って全て財政赤字のせいにするような国民一人当たり764万円の借金だ、などと言うのは明らかな詭弁です。財務省の作為を感じざるを得ません。
しかも去年からいきなり100万円も増えているのです。これは為替介入の為に積み上がった政府短期証券分を今年から勘定に入れたからのようですが、なぜ急に計算方法を変えるのでしょうか。財務省にはよっぽどそうしなればならない理由がありそうです。何が欲しいのか、あるいは何を守っているのか、謎です。
話は需要と供給に戻って、需要も供給もあるのに経済が上向かないのは明らかに流動性の問題です。こういう時には思い切った財政出動しかないのですが、例の国民一人当たりの借金というのが健全な財政政策を阻みます。二言目には財政破綻と言いますが、では実際に財政破綻したらどうなると言うのでしょうか。
つまり償還分も含めて年に160兆円も売らなければならない国債が売れなくなった場合です。これを破綻と言うならば、是非破綻していただきたいのです。この場合、日銀が引き受ける事となります。例えば100兆円引き受ければ財政赤字はその分実質的に減る事になります。
政府と日銀は親会社、子会社の関係なので、連結で決算すればプラスマイナスゼロになるからです。結果的には100兆円の金融緩和効果が生まれます。市中銀行が買わない分の資金がだぶつくからです。国債の金利が上昇すると心配される向きも多いようですが、それも心配ありません。
政府系金融機関分を引いても60%くらいの買い手は日本国内ですから、金利上昇分はこれも金融緩和と同じような効果を市場にもたらすのではないでしょうか。従って、民間が買い支えるより、破綻した方が経済が活性化する可能性が高いのです。
どう考えても、民間が設備投資をしない(借金しない)不況時は政府が代わりに借金するしかありません。そうしなければ経済が拡大しようがないからです。さらに円高になればなる程、民間は海外に設備投資をしますから、どうしても国内が空洞化します。
そこを補う、つまり内需の拡大をドラスティックに推進するのが、あるべき先進国型財政政策なのですが、なぜ日本が不況になるのかという構造が分かっていないから、いつまで経ってもトンチンカンな政策しか打てない、その結果デフレが長引くという「無能スパイラル」に陥るのです。
政府はあり得ないインフレの心配などせず、日本国民の実力を信じてドラスティックに財政出動をせよ(!!)と思われた方、クリックをお願いします。
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コメント
SAPIO (サピオ) 2/17号の『ゴーマニズム宣言』で
「外国人参政権」の恐ろしさが、詳しく描かれています。
漫画なので、一番インパクトがあってわかりやすいと思います。
これが少しでも広まれば、と思っているのですが…。
投稿: ー | 2010年1月30日 (土) 16時21分