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2010年1月27日 (水)

自縄自縛

先週の金曜日に日テレの番組、「太田総理」で、50万円を国民一人一人に配る法案の提案をしていました。途中から見たので、内容が詳しくは分からないのですが、基本的には財政赤字をこれ以上増やす事に対するアレルギーが異常に強いように思えたのです。

政府紙幣の案も出ていたような気がしますが、親日で外国人地方参政権付与法案に関しては絶対反対と毅然とした態度をとっていた、下手な日本人より、よっぽどまともな台湾人の金美齢さんが、財政に関しては、とんでもない事を言っていました。

Kinnbirei台湾での第二次大戦後のインフレに例えて、お金の供給量を増やしたばかりにハイパーインフレになったというのです。確か4万円が1円になったと言っていたような気がします 。

オイオイちょっと待ってよ、何と比べてんだよ〜という感じですが、大戦直後の台湾の供給力と今の日本の供給力を比べるのは余りにも無理があるのではないでしょうか。それに対する反論がないのもうなずけません。政治家や経済評論家もいるというのに、まるで中学生レベル、いやそれ以下の素人の討論会というよりコメディです。
(爆笑問題がやっているので元々コメディなのかも知れませんが)

インフレに関しては日本の場合、戦後の1945年10月から1949年4月までの3年6ヶ月の間に消費者物価指数は約100倍となった過去がありますが、焼け野原スタートという悪条件に、戦争中に大借金をした付けが回ったからであって、平時なら考えられません。それでもせいぜい100倍です。

ところで国民一人に50万円なら総額65兆円になります。これは内閣府が認めるデフレギャップを引けば、たったの25兆円にしかなりません。これでインフレになると言う方がどうかしています。例え10年くらい続けてもインフレになどならないのではないでしょうか。

もっともお金を配るやり方はあまり感心しません。一回くらいならいいのですが、恒例となって国民が期待するようになるのも考えものです。貯蓄に回る恐れもあります。やはり乗数効果も考えて、有効な未来指向型公共投資がいいのではないでしょうか。

本当の日本の実力を知らない人には分かり難いのかも知れませんが、世界最強の経済力は、アメリカさえ脅かした85年時点よりもはるかにパワーアップしています。恐らく潜在供給力は世界で一番でしょう。具体的な数字で示せないもどかしさを感じます。

財政赤字も今更嘘だと言えない土壌が醸成されていますが、財務省、マスコミの罪は深いのです。お陰で実体経済が縮小しました。純債務で言えばGDP比率で実質90%くらいにしかならず、他の先進国と大差ありません。さらに金利は世界一低い訳ですから、日本国債の実力の程が伺えるというものです。

昨日の日経新聞にも載っていましたが、将来子供達に借金の付けが回るというレトリックにも困ったものです。誰から借りているかを調べれば、それは全く逆だという事くらいすぐに分かります。他の国の例を見ても、短期間で清算する必要だってない訳ですから、安全な資産運用先というポジショニングは変わりようがないのではないでしょうか。

結局TVの投票結果は10対10で否決されましたが、日本人は苦しむのが好きなドM的人種と見えます。視聴者のアンケートでも過半数が反対していました。4人家族で200万円も貰えるのにですよ。不況なんか吹き飛ぶと思いませんか。供給力がついて来ない(?)あり得ません。日本の実力を知らなさ過ぎます。

バブルがはじけた90年と比較しても人口は増えているし、技術力も上がっています。下がったのは土地だけなのに、実体経済が落ち込むのは政治の無策に他なりません。人口に関してはこれから減少して行きますが、それでもGDPは増えると言われています。

年に2%は見込める労働生産性の向上が、最大でも1%程度と言われる人口減少を上回るからです。従ってどこからどう見ても、政治以外には国内に悪い材料などないのに、、、勝手に自縄自縛に陥っている日本は、あ〜〜あもったいない、もったいないと思われた方、クリックをお願いします。

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