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2010年3月23日 (火)

現代版「ノアの方舟建設計画」

今朝の日経新聞に、ビルゲイツが東芝と組んで、次世代原発の開発を行うという記事が載っていました。核燃料を交換せずに100年間の連続運転が実現出来るのだそうです。何でもゲイツ氏は、この計画に私財数千億円を投じるつもりだそうですが、色々な事に積極的に投資する人です。

ゲイツ氏と言えば、本業のマイクロソフトビジネス(既に引退)よりエイズの撲滅や、がんの治療ワクチンの開発等に潤沢な資金を提供してきた事で目立っていますが、特にノルウェー政府と共同で推進している「あらゆる危機に耐えうるように設計された終末の日に備える北極種子貯蔵庫」に注目すべきではないでしょうか。

何でも既に300万種類の植物の種子がノルウェー、スピッツベルゲン島に、1メートルのコンクリートの壁で囲まれたマイナス18度という理想的環境下で保存されているのだそうです。

浜田 和幸氏によりますと、(以下、氏の記事より引用)
2009年5月5日、ニューヨークはマンハッタンにあるロックフェラー大学の学長でノーベル化学賞の受賞者ポール・ナース博士の邸宅に世界の大富豪とヘッジファンドの帝王たちが集まった。議長役としてこの会を取り仕切ったビル・ゲイツによれば、「人類の未来に立ちふさがる課題は多いが、最も急を要する問題は人口爆発である。現在67億人が住む地球であるが、今世紀半ばには100億人の可能性もありうる」

「このままの状況を放置すれば、環境・社会・産業への負荷が過大となり地球環境を圧迫することは目に見えている。なんとしても人口爆発の流れを食い止め、83億人までにとどめる必要がある。各国政府の対応はあまりにスローで当てにはできない。潤沢な資金を持ち寄り、我々が責任をもって地球の未来を救うために独自の対策を協力して推し進める必要がある」とのことであった。

 ゲイツはその思いをすでに具体化するために、あるビッグプロジェクトに資金を注いでいる。それが現代版「ノアの方舟建設計画」に他ならない。

 また、ロックフェラー財団はかつて食糧危機を克服するという目的で「緑の革命」を推進した中心組織である。当時の目論見では在来種より収穫量の多い高収量品種を化学肥料や除草剤を投入することで拡大し、東南アジアやインドで巻き起こっていた食糧不足や飢餓の問題を解決できるはずであった。

 ロックフェラー財団の農業専門家ノーマン・ボーローグ博士はこの運動の指導者としての功績が認められ、1970年にノーベル平和賞を受賞している。しかし、緑の革命は石油製品である化学肥料や農薬を大量に使用することが前提であった。

 メキシコの小麦やトウモロコシ栽培で見られたように、導入当初は収穫量が2倍、3倍と急増した。しかしその結果、農作地は疲弊し、新しく導入された種子も年を経るにしたがい収穫量が減少し始めた。そのためさらに化学肥料を大量に投入するという悪循環に陥ってしまった。

 最終的には農薬による自然破壊や健康被害も引き起こされ、鳴り物入りの緑の革命も実は伝統的な農業を破壊し、食物連鎖のコントロールを農民の手から
多国籍企業の手に移そうとするプロジェクトにすぎなかったことが明らかになった。

中略

 こうした人類の未来を左右することになりかねない種子の保存や選別といった極秘ビジネスが2007年から始まったことに我々は無関心でいるわけにはいかない。人間のありかたすらも影響を与えかねない。現在、種子の製造会社としてはモンサント、デュポン、シンジェンタそしてダウ・ケミカルが世界の市場をほぼ独占しており、遺伝子組換え作物に関する特許もほとんど彼らが押さえてしまっている。

 世界中の農民たちは毎年モンサントをはじめ巨大アグリビジネスが提供する種子を買わざるを得ない。特に米、大豆、トウモロコシ、小麦、といった主要作物に関してはあまりにも影響が大きくなりそうだ。2007年にそのような特許が成立したことを受け、今後10年あるいは20年以内に確実に世界の食糧生産者の大多数はこれら4社が提供する種子が手に入らなければ、農業生産ができないという状況に追い込まれるだろう。

 そのような長期的な食糧独占計画をアメリカ政府は国際開発庁が中心となりモンサントらとともに進めているのである。これほど強力な外交交渉における武器もないだろう。アメリカの政策に反対するような国に対しては食糧生産に欠かせない種子の提供を拒むということもありうるからだ。

 すでにアメリカ政府はアフリカ大陸における遺伝子組換え農業の推進に着手している。モンサントが開発した遺伝子組換え種子をアフリカ各地で実験的に栽培する動きを支援し始めた。 
中略
要はアメリカの新たな国家戦略として
アフリカ大陸をアメリカ製の遺伝子組換え作物の実験場にしようとしているわけである。

何を想定してか、個人資産5兆円と言われる圧倒的な資金力を背景に、地球規模で怪しい活動をするビルゲイツと組むという事は、最終的には都合良く利用されるだけという気がしないでもないのですが、東芝さんもビジネスと割り切って深入りしないよう注意してもらいたいものです。

近い将来に必ず起きる食料危機に備えて日本は食料自給率を上げておく必要があるのですが、海外特定国への利益供与と自らの利権にしか関心のない民主党政権では望み薄だと思われた方、クリックをお願いします。

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