« 今頃風邪? | トップページ | 一難去ってまた一難 »

2010年4月 3日 (土)

今こそ国家百年の計が求められる

どうも世界の雲行きが怪しいです。中東やデノミで失敗した北の問題を抱える朝鮮半島もこのところ不穏な動きがあります。加えて、マスコミは報じませんが、欧米経済のメルトダウンが始まっているような気がしてなりません。ネット上ではこういった危機を訴える個人ブログは多いのですが、正確な情報を得ていない大勢の日本人は基本的に呑気です。

世界恐慌のシナリオとしては、まず、これまで巨額な財政出動で支えて来た米経済が臨界点に達し、ドルの大暴落が起きるというところから始まります。連動する経常赤字国、債務過剰国を数多く抱える欧州経済もユーロ暴落で続くのではないでしょうか。

その煽りを受けて世界中が金融パニックを引き起こす事は間違いありません。ドル建て石油取引なども大混乱を来すでしょう。日本や中国のように米国債を持っている国は価値が半減、あるいは消滅し巨額損失を生みます。日本などは民間もドル資産が巨額ですから影響は計り知れないのです。特に金融機関は倒産ラッシュではないでしょうか。

唯一の頼りであった中国も無傷という訳にはいきません。外需依存国から外需が消えたらお終いです。これまで財政出動や金融緩和等により、沿海部のバブル特需で支えられて来た政権の維持は極めて困難になるのではないでしょうか。

そうなったら他の国々だってドミノ倒しです。世界は大混乱に陥り、これまでタイトロープ上にいた地域での内紛や戦争は避けられません。イランや朝鮮半島から火の手が上がれば阿鼻叫喚の地獄絵図が予想されます。そういうシナリオだけは避けたいのですが、3日朝、金正日主席が列車で中国へ入ったという情報が伝えられました。亡命であれば最悪の事態は避けられるのかも知れませんが、さてどうなんでしょうか。

最悪のシナリオは想像するだに恐ろしいのですが、希望が全くないのかと言えば、そんな事もないような気がします。「絶望は愚か者の結論なり」で、どのような事態においても、より良い結論を導き出す手立ては残されてる筈です。希望さえ捨てなければ開ける道はあるのではないでしょうか。

冷静になり、少し考えれば分かりますが、金融危機はあくまでも金融危機です。金融即ちバーチャル世界の数字が飛ぶだけです。それは輪転機で刷ればいくらで作れるお札の価値が下がるだけで、大戦争や大災害さえなければ、リアルの世界の主役である産業は無傷なのです。日本の場合、使う予定のない外貨準備や海外資産が飛んでしまっても貸借対照表上、数字的に毀損するだけで実体経済とは無関係と言えます。

勿論輸出産業が打撃を受ける事は免れないでしょう。しかしここもGDP比で15%程度と依存度は既に低く、耐久消費財は全輸出の20%程度しかありません。大半を占める資本財、生産財は中韓を始めとする発展途上国向けですから、年単位で見ればゼロになる事は考え難いのです。なぜならそれらがなければ内需の為の生産さえ止まってしまうからです。

輸入に関しては円決済を増やしていく事で対応可能ではないでしょうか。欧米経済破綻で相対的円高が進めば増々輸入に問題はありません。この点でのアドバンテージは揺るがないのではないでしょうか。技術貿易黒字や所得収支黒字が主体の真の経常黒字国の強みです。

そう考えれば、日本の場合、心理的パニックにさえ陥らなければ被害は限定的なのです。海外進出している現地邦人企業に関しても、課税を嫌って日本に利益を殆ど還元していないだけに、あくまでも現地の問題として捉えるべきです。元々日本のGDPには寄与していないのです。

さすがに金融機関に関しては、大手が潰れ始めると大問題です。取付け騒ぎが始まると収集がつきません。しかし、こういう非常事態こそ政府の存在感が示せるのではないでしょうか。即ち、アメリカがしたように銀行への資本投下、国有化です。世界大恐慌時に選択肢はありません。現資本主義体制に大欠陥がある以上、一時的に社会主義になる事が大問題だとは思えないのです。

その時の政権の資質は大いに問題ですが、世界恐慌というエクスキューズがあれば大規模財政出動はやり易い筈です。反ってデフレ解消の一石二鳥になるかも知れません。銀行を救うだけでなく、巨大公共事業も平行して行い、輸出産業の余った供給力も国内向けに振り向ければ増々内需は活況を呈します。世界大不況を尻目に悠々自適、我が世の春を謳歌出来るという訳です。

その結果、多少のインフレは歓迎なのですが、それでも積もりに積もったデフレギャップを埋める事は出来ないかもしれません。よく日本は財政破綻してハイパーインフレになるという経済学者がいますが、日本の潜在経済力(供給力)を知らなさ過ぎます。仮に強いインフレになったとしても借金が減る事になり、悪い事ばかりではないかも知れませんが。。。

巨額財政出動の財源は郵貯の世話になるまでもなく、日銀引き受けの国債です。日本都合でなく失われた外貨をデフレの国が自国通貨で補填しても問題はあるとは思えません。むしろ円を世界基軸通貨にする好機でもあるのですが、そういう概念はこの国にはないでしょう。

世界で犠牲的精神を発揮し指導的立場をとるつもりがないのであれば、今までのような中途半端な世界への関わり方で繰り返し痛い目に会うより、世界恐慌を機にむしろ引きこもるべきではないでしょうか。例えば、江戸時代にペルーさえ来なければ太平の世は続いていた筈です。

元来人間は衣食住さえあれば生きられるのです。贅沢が身に付いたから話はややこしいのですが、食料自給問題もカウントの仕方では実際は60%あると言われています。無駄を省けば、少しダイエット出来るという位の問題でしかないのです。もっとも、食料輸入が出来なくなっても、日本の農業技術を持ってすれば、自給率を上げる為の障害は、かかるであろう多少の時間と利権まみれの政治家以外にあるとは思えません。

要は最低限、生きる為に衣食住の自給が出来るならば恐れる事などないのです。それ以上の事はプラスアルファの趣味程度に考えれば随分気楽になれるのではないでしょうか。世界と競争する事がバカバカしく思える筈です。無益な数を取りに行く競争よりも、趣味の世界で磨きをかける方が余程楽しく、また正常進化する事でしょう。その結果内需が膨らみ経済発展するのです。

明治維新当時とは比べ物にならない、地球レベルではほぼ完成された文明のど真ん中にいるのにも関わらず、身に染み付いて一顧だにしない、コンプレックスベースの、世界に目を向けすぎる日本人のものの考え方を転換すれば、日本が明治維新以来、どれだけ誤った道を歩んで来たのかが分かるというものです。外敵から身を守る術さえ身につければ、どう見ても安定感のない外部と積極的に付き合う意味があるとは思えません。

世界の標準に会わせる為に妥協しなければならない事は山ほどありますが、それが日本のメリットになる事など今後は考え難いのです。この情報化時代に出来る筈もない鎖国とまでは言いませんが、世界から影響を受け難い態勢を作る事が日本の国益に必ず繋がる、と思えてなりません。

いずれにしても、日本のあり方を大きく見直す時期に来ている事だけは間違いないが、今の政治家に100年のグランドデザインをしろと言っても所詮は無理(!!)と思われた方、クリックをお願いします。

|

« 今頃風邪? | トップページ | 一難去ってまた一難 »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

私も賛成です。外部からの影響の卑近な例で言えば、毒餃子事件でしょう。私は、貿易というのは失業の輸出の側面もあると思っています。グローバリゼーションといっても、誰かが得をすれば、誰かが損をしている。そのような構図が世界規模になっただけのようにしか思えません。

投稿: | 2010年4月12日 (月) 07時14分

貿易は必要最小限に抑えるべきです。無益な競争からは何も生まれません。世界は想像以上に胡散臭過ぎます。日本はそろそろ政治的軍事的に自立しないと、そう遠くない将来、滅亡してしまうでしょう。

投稿: 田中 徹 | 2010年4月12日 (月) 10時31分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 今頃風邪? | トップページ | 一難去ってまた一難 »