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2010年5月26日 (水)

発展途上国型ビジネスモデルからの脱却

昨日の続きになりますが、森永さんが言った、「官民一体となって、世界に物を売りに行くビジネスモデルは、日本としてはいかがなものか」に対して、なぜなんだという声があります。世界と競争して外貨を獲得すればGDPにも貢献するし、企業にとっても悪い事ではないと言うのです。

確かに難しい問題ではあります。短期的に見て利益が期待出来るのに、みすみす見逃す手はありません。市場主義経済の原理、原則にも反します。一国だけ、あるいは一社の都合で考えれば確かに「あり」かも知れません。

問題は、いくらで受注するかによるのではないでしょうか。例えばUAEの原発発注では、韓国は3兆6千億円で受注したそうですが、何十年かのメンテナンスも含めて、となっています。リスクは決して少なくないのです。では日本で受注する場合はどうでしょうか。国民一人当たりのGDPが韓国の約倍ですから単純計算で7兆2千億円という事になります。

同じ内容の仕事で3.6兆円と7.2兆円なら勝負になりません。発注者は当然安い方を選ぶのではないでしょうか。そこでもし日本が本気で受注に動く場合、限りなく3.6兆円に近づけるか、付加価値を付けるかのどちらかになります。赤字覚悟で仕事を取るというのも戦略的にあり得ない事ではないのです。

その場合、韓国は道を断たれる事になります。技術的には日本が上ですから、コストに差がなければ勝てる筈がないのです。もうお分かりでしょうが、デフレを促進する不毛な争いをする事によって、日本が本来進む道まで閉ざす事になりかねないのです。

日本が本来進むべき道は、言うまでもなく東芝で進めているような、安全性が飛躍的に高まる次世代原発という事になります。いやこの場合、原発是非論は凍結しての話ですので、その点は誤解のなきようお願いします。。。完成した次世代原発は、公共投資として国が発注する手があり、それによって国内経済(内需)が活性化するのは明らかです。

もっともUAEの件は、韓国一国では消化不能なので、結局東芝とその子会社(ウェスティングハウス)が後方で支援する事になりそうです。それによって、韓国の利益分は飛んでしまうかも知れませんが、一種の住み分けが出来る訳です。それはそれでいいのではないでしょうか。表に出ず、後方での支援は、ある種、先進国型のビジネスモデルと言えるかも知れません。

一方、ユニクロのような低価格が最大のメリットである商品の場合はどうでしょうか。ここは先進国が勝負する土俵かどうかの判断が分かれるところです。確かに円高が続けば日本に逆輸入された商品は割安感があり、日本のコンシューマーはメリットを受けます。

発展途上国も、工場進出で雇用の確保、外需の獲得が出来、悪い事はないように見えます。短期的には、それで間違いがありません。しかし、中国のように、そういう外資系輸出産業で溢れてしまったならどうでしょうか。為替の作用で、その国の通貨が高くなるのは自明の理です。(為替操作がなければの話ですが)

輸入国側も、値段が上がってしまってはメリットがありません。そこで丁度いい線でバランスする事になります。つまり無限の発展の余地は自動的に失われるのです。すなわち先進国型付加価値商品との住み分けが行われる訳ですが、何事も一人勝ちはないという事でしょうか。

日本は、量産効果によってマスを取りにいくやり方は、あくまでも発展途上国的手法である事を認識すべきです。ヨーロッパにはサムスンもトヨタもありませんが、一個何千万円もする時計メーカーとか、高いのが取り柄とさえいえるファッションブランドがひしめいていて、個人の生活は日本などより、色々な意味ではるかに豊かなのだ、と思われた方、クリックをお願いします。

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