またまた笑ってしまいました。何がって菅総理が、政治と金の問題について「自分も100%真っ白とは言えないかもしれない」と言うのですから大受けです。これって、自分もやっています、と自白しているようなものではないでしょうか。
小沢さんのポチの細野さんも愉快な方です。小沢さんが政倫審に出そうもない事の言い訳として、小沢さんにも検察審査会等からの追求に対し、防御する権利があると言うのですから、どんだけポチぶりを発揮すれば気が済むのでしょうか。本人が言っているように潔白であるなら、何を防御すると言うのか(?)理解に苦しまざるを得ません。
さて、漫談はそれくらいにして、本日のテーマに移ります。先日息子と経済の話をしていて、はたと気がついた事がありました。円高が進んでいますが、それは日本にとって悪か良か、という話です。
純輸出が対GDP比で1%そこそこしかない日本の場合、全体では殆ど実質的な影響がない、というのが私の常日頃のスタンスですが、資本財、生産財等の輸出企業にとって、急激な円高は大問題である事に間違いありません。
しかしながら、マスコミがよく言っているように、自動車などの耐久消費財の場合もそうなのでしょうか(?)よく1円上がれば200億円の損害とか言っています。
そこでおさらいですが、自動車の場合、2400万台(2007年)の総生産台数の内、ざっくりと言って半分が海外生産です。残り半分の国内生産のうち、その半分強が輸出なのですが、全体の約25%が為替の影響を受ける事になります。
一方、輸入は円高メリットを受けますから、原材料は安く仕入れる事が出来るのです。それは国内生産分(50%)の全台数がメリットを受ける事になります。商品の競争力も考慮に加えると、為替での影響はかなり限定的ではないでしょうか。
さらに円高が進み、長期に渡って下がりそうもない場合は、スズキやホンダがやっているように、海外生産比率を増やして逆輸入という手があります。これなら例え1ドル50円になったとしても、むしろ大きなメリットが出るのではないでしょうか。
従って、輸出産業の中でも国際化が究極まで進んだ自動車の場合、円高はむしろメリットではないかと言ったところ、息子は、企業は良くても国内空洞化が起きると言うのです。成る程、自動車産業は儲かっても、雇用という点で国民は必ずしも、その恩恵は受けないという事でしょうか。
そこで、はたと気付いた事があります。その空洞化ですが、本当に空洞化しているのでしょうか(?)周りを見渡しても、失業率から見ても、他の先進国との比較で、そんなに酷いようには思えないのです。特に空洞化していなくてもデフレが進み、不景気になっている事が問題なのではないでしょうか。
確かに、海外生産はサービス業と併せて200兆円もの売り上げ規模になっています。日本のGDPの40%にもなるのですが、その分、国内の産業は衰退してしまったと考えるべきなのでしょうか。(?)
ユニクロなどは中国で作った安い商品をがんがん輸入して価格破壊の先頭をきり、デフレの元凶のように言われています。しかし、同じようなコンセプトの海外ブランドも多く入って来るようになり、安くて良質な商品が選べる環境は、消費者にとって悪くないのです。
最近の不景気やデフレで、収入自体は上がっていませんが、ものは確実に安くなっているので、生活に困窮するというような悲惨な実態はないのではないでしょうか。失業率も確かに上がってはいますが、世界経済収縮が直接原因で、円高や空洞化のせいとは言い難いのです。
幸か不幸か労働人口も年々減少している訳ですから、その点からも空洞化を心配するのは取り越し苦労かも知れません。その代わりの海外生産と考えれば納得がいきます。海外から労働力を入れるよりは、はるかにましです。
だからと言って国内の経済成長が止まってしまう、あるいは緩やかに衰退する、などというのは国としてどうなのでしょう。甘んじて受け入れなければならないものでしょうか。日本の技術力を知っている私には、どうしても納得がいかないのです。
問題は政府と日銀がデフレを放置している事に尽きるのではないでしょうか。未だに学習した教材が古いせいか、頭が硬いのか、インフレを恐れるステレオタイプ経済学者や政治家、官僚が数多くいて、有効な経済政策の障害になっているのです。
ところが、現実は人件費の安い海外生産、コンピューターやロボット化による量産効果、あるいはインターネットによる豊富な情報、これらはデフレ圧力以外の何ものでもありません。インフレの要素が見つからないと言った方がいいのではないでしょうか。
従って、市場原理に任せれば、デフレがどんどん進んで、経済が縮小するのは明らかです。言うなれば、供給過剰状態が慢性化しているのです。ただ、消費者はどん欲ですから、量的、質的満足を簡単に得る事はありません。
何が言いたいのかと言いますと、これだけの青空天井とも言える未体験供給過剰の時代に、インフレを心配するなどという、これくらい前時代的な馬鹿げた話はないという事です。
政府は対外純資産世界一の国を財政再建するなどという、余っている金をさらに余らせ、世界経済にも悪影響しか与えない愚かな妄想は捨てて、莫大な流動性を市場に提供すればいいだけなのです。
勿論、金利差で海外に円キャリートレードしてしまう、従来の量的金融緩和策よりも、何度も言うようですが、財政出動による公共投資が一番ではないでしょうか。消費にならない土地買収を絡ませない形がベストです。
その結果、高付加価値、高価格消費財と安価な日常消費財との住み分けが出来、日本経済はバランスよく成長して行く筈だ、と思われた方、クリックをお願いします。

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