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2010年6月28日 (月)

米などと比較して、いかにも見劣りのする日本の経済ブレーン

テレビはこのところ、ワールドカップと選挙の二色に染まっていますが、私のような、にわかサッカーファンも増えて、政治への関心が薄れかけているのが、吉と出るか凶と出るのか、パラグアイ戦如何では国を大きく左右するような事にもなりかねないのではないでしょうか。

さて、日曜のサンデーフロントラインでは菅総理のブレーンと言われる某有名国立大教授が出ていました。菅さんの「増税しながら景気を良くし、財政再建もする」という一見矛盾する話の、分かり難いところがクリアになるかと非常に興味深く見させてもらったのです。

結論から言ってしまいますが、これ程酷いとは思いませんでした。目新しいところや、プロっぽいアイデアが見当たらないのです。勘違いかも知れませんが、私如きの素人にも簡単に論破出来そうなくらいです。日本の未来は果てしなく暗いのかも知れません。

まず、増税ありきで、その資金で国が雇用と有効需要を作り出し経済発展するというのですが、その説で行けば、限りなく高負担がいいという事になります。それは社会主義です。いやそうではない、ものには丁度いい採算分岐点がある、と言うのであれば、その分岐点を具体的に示すべきではないでしょうか。

例えば消費税10%、所得税は5%くらい増やせば、民間の活力を削がずに、政府支出による有効需要が創出出来て経済発展する、とでも言うのであれば未だ納得出来るのです。ところがこの先生は税金は何でもいいと宣います。(???)ただ上げさえすればいいのだそうです。

それは流石に無茶苦茶ではないでしょうか。間接税は弱者に不利な事は明らかです。高消費税では、いくら雇用を作っても有効需要は増えないのではないでしょうか。さらにこの先生、財政再建の為のプライマリーバランスにも興味を示しません。(???)

そこまで話を発展させる以前に、民間から取り上げたお金を政府が使った方が有効である、という考えそのものが納得いかないのです。なぜそのまま民間が使ってはいけないのでしょうか。政府が間に入る方が利権も絡むし、事業仕分けが必要なくらい無駄も多かった筈です。政府が急に理想的なお金の使い方が出来るようになると言われても、にわかには信用出来ません。

百歩譲って、もしそれが可能だとしても、資金の移動による乗数効果だけでは限界があります。例えば、消費税を10%にした場合、増えた5%は貯蓄から回るという保証があるなら、最低でも増えた5%分だけの経済成長は期待出来ますが、貯蓄を切り崩さなかった場合は、どこから成長分が出るのか不明です。

外需を増やすと言うのであれば分かりますが、それならば税収とは何の関係もありません。しかもその場合は、結果的に経常赤字国の赤字を増やす事になり、今の国際的な流れに逆行する事になります。すなわちヨーロッパや韓国等の敵になるという事なのです。

おさらいですが、GDP=個人消費+民間設備投資+固定資本形成+政府支出+在庫品増加+輸出ー輸入 です。個人消費の一部を政府支出に置き換えたところで数字(GDP)は増えません。

もうお分かりでしょうが、非常に不思議な事に、この経済学教授の頭にはマクロ経済の概念が欠けているのです。これで大学教授が務まるのですからおかしな国です。可愛そうなのは、その大学の学生さん達で、全くいい迷惑ではないでしょうか。

当たり前の話ですが、経済成長する(GDPを増やす)には、どこかからお金を持って来る、あるいは作る(印刷する)しかないのです。外需に依存出来る環境がないならば、莫大な個人金融資産を動かすか、民間が設備投資の為の借金をする(信用創造)しかありません。

その両方が期待出来ないと言うのなら、政府が借金(国債発行)すればいいのです。この教授が言うように、福祉を中心とした雇用創出の方法によって経済が成長するならば、高福祉高負担の欧州が低迷している理屈が分からん。と思われた方、クリックをお願いします。

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