バカの壁 2
財務省の官僚は長い間、自民党政権下で、ほぼ思い通りに政治家を動かしてきたので、政権が変わっても、わがままを通したいと思うのは無理からぬ事かも知れません。国家の、しかも世界第二位である経済大国のお金を握っているという快感は捨てがたいものがあるのでしょう。
その既得権益は凄いものがあります。もっと権限を増やしたいと考えるのは当然な事かも知れません。問題は誰もコントロールが出来ない事です。政治家は官僚任せだし、これまでのところ民間も無関心でした。
税収が減ってきた近年、手っ取り早く自由になる資金を増やすには消費税の増税しかありません。菅総理を焚き付けて増税論議に火をつけたまでは良かったのですが、相手がいかにも悪かったのです。政治的信念もなく、きちんと経済を理解していない人に、説得力ある説明が出来る筈もないのです。
結果的には参院選の結果でも明らかなように、今後消費税論議は封印されてしまうでしょう。財務省の目論みはもろくも崩れ去ったのです。作戦ミスといっても差し支えないのではないでしょうか。
ところで、昨日のブログでも触れましたが、財務省は年初来、国債の消化を円滑に行う為、海外からの購入を奨励、推進して来ました。国内消化が限界に近づいていると見ているのかも知れません。
そもそも野方図に国債を発行してきた責任の一端は財務省にもあります。頭のいい人の集団ですから、こうなる前に政府に対して、もっと賢明な対策が提案出来た筈です。
そういう点では財務省と言えども、平和ぼけ経済大国ボケしていたのかも知れません。いつか何とかなるとでも思っていたのでしょうか。もっとも実際には、これだけの経済大国でデフレ下にある訳ですから、打つ手がない訳ではありません。
知らないうちに減っていた、などという芸当さえ出来たのです。ところが、財政破綻を煽りまくり、ここまで騒ぎを大きくしたのでは手が限られます。下手をすると財政規律無視とか、インチキ臭い手を使ったとか言われかねません。海外の目もある手前、今まで言ってきた事と大きく矛盾する事は出来ないのです。
そうこうしている内に、ここに来て中国が日本国債を買い始めたと報じられました。しかも5ヶ月という短期間で1兆2千億円を超える大量の買い越しは本気度を感じざるを得ません。中国が持つ外貨準備高(170兆円の内、3兆4千億円の日本国債保有)の2%を日本国債で運用している事になります。
これが何を意味するのか、政府や財務省は分かっているのでしょうか(?)しかも日本は中国の国債を買うことは出来ません。つまり通貨スワップの意味合いさえもない一方的な相手国通貨(債券)の大量保有は、政治的思惑で色々な使われ方が可能なのです。
今後のヘッジファンドや中国当局の動向に注目すべきですが、ユーロやドルの信頼感がない昨今、日本国債の海外保有は増えはしても減る事は考えにくいのではないでしょうか。従って政財官が一番嫌う円高圧力は避けられません。
その結果は株安、デフレ促進、不景気、税収減の負の連鎖となる事は明らかです。だからと言って新規国債発行は自ら枠をはめたし、国債保有の海外比率が高まる事も微妙です。言わば八方ふさがりなのですが、総合的戦略的に財政を見てこなかったつけは大きいようです。
いずれにしても、これ以上円高が進めば、輸出企業擁護という意味でなくとも為替介入を視野に入れるべきなのですが、そのためにはまた国債を発行する事になります。それを中国や禿鷹ファンドが買うという、魔の循環だけは避けたいというのに、想像力の欠如した平和ぼけ官僚は、この事をどう考えているのでしょうか(?)
一番望ましいのは米のように政治的(圧力)に働きかける事ですが、親中で政治力のない政府にそれも望めません。唐突に買うな、とも言えず、座して見守るだけという立場に追い込まれてしまった政府と財務省の責任は重いのです。
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コメント
日本の官僚・・・65年前、連合軍のGHQは旧日本帝国の天皇制/軍事,政治体制/教育制度/財閥等を解体しましたが、官僚制度に対しては手を付けませんでした。なのでもしかすると、殿様病(一回その地位を確保したので、組織の権益と保身に陥り、国家が滅びようとソンナノ関係ねーと、小島なんとかいう海パン芸人君みたいな心理状態になっちゃってるかもしれませんねー。自分では気が付きにくいのでしょうけど。実際の各省庁で勤務している方々は民間企業顔負けの激務らしいですが、今日本は政治,経済,外交など難問の山を抱えているので、TV番組の『官僚の夏』で描かれている人達の様に,又 勝海舟/坂本竜馬みたいに頑張ってくれる様に祈っています。
投稿: Carly | 2010年7月22日 (木) 07時58分
まじめで国の事を考えている官僚も多いと聞きます。一部の権力者によって役人全体の信用を毀損してしまいました。
首のすげ替えが簡単に出来るのも怖いし、出来ないのはもっと困った事だし。。。何かいい手はないものでしょうか。
投稿: 田中徹 | 2010年7月22日 (木) 10時15分
何かいい手・・・あてずっぽうにアイデアを挙げてみしょう!①首相を国民からの直接選挙にて決定する・・・第一段階;予野党を問わずに、30人ぐらいの有望な人を選ぶ〔経済部門,科学技術,教育などの部門,大臣別に2~3人ずつ〕 第二段階;その中から各大臣クラスから首相を選出する。理由;現在の民主/自民/その他いろいろある政党運営自身が古すぎるし、能率が気が狂いそうな程、非効率。議員達の構成がバカ(私もそれですが)が半分以上なのは国民はとっくに気が付いています。それらの人達が時間と税金をダラダラ使っているなんて、愚の骨頂。
投稿: 国士ZX | 2010年7月22日 (木) 14時20分