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2010年9月17日 (金)

「日本人は自分の事を猫だと思っているが、周りから見れば虎にしか見えない」

[東京/ワシントン 15日 ロイター] 日本の通貨当局は15日、円高阻止のため外為市場への介入に踏み切ったが、米下院歳入委員会のレビン委員長が日本の介入に「非常に困惑」していると述べるなど、タイミングや単独での行動については、批判の声も上がった。

 またレビン委員長は「中国の行動が日本に影響し、日本の行動は米国に影響する」と述べ、日本の介入にからめて中国への批判も展開した。この日は下院で人民元問題に関する公聴会が開催され、人民元が過小評価されていると主張する議員から対応を求める声が相次いだ。(ロイター)

日銀の2兆円にも及ぶ円売りドル買い介入に対して、案の定アメリカから一斉に非難の声が上がりました。米自動車業界などからも「為替操作国」認定を視野に入れる発言が相次ぎ、問題が拡大しそうな気配です。

そら〜言わない事じゃない、突っ込まれるんですよ。だから単独介入は危険なのです。手負いのライオンを追いつめるような事は感心しないのです。なんだかんだ言っても、一番強い円は、未だ鷹揚に構えるべきだったのです。この程度の円高に国が総力を挙げるような印象を与える事は、対外純資産世界一の国のやる事ではありません。

昨日も言いましたが、露骨な円売りドル買いでは芸がなさ過ぎます。日本国債を市場から吸収する、いわゆる買いオペで円を市場に供給し、自然な形で円安に誘導すれば、誰からも文句を言われる事はなかったのではないでしょうか。紙切れになるかもしれないドル(結局米国債)を大量に買うというのは、能がないと言われても仕方がないのです。

大体、実害が未だ出ていないのにも関わらず、大変だ大変だと騒ぐ事自体がおかしいのです。財界も円高が駄目だと言っていますが、具体的根拠は示せていません。何となく日本製品が未だ競争力がなかった時代の、世界の常識みたいな感じで言っているだけなのです。

その証拠に貿易黒字は逆風に逆らうように、むしろ膨らんでいます。7月なんて8000億円の黒字です。所得収支こそ金利安の影響や為替差損が出て黒字を減らしていますが、経常収支は真っ黒ケなのです。

日頃マスコミが日本駄目論という偏向報道をしているせいで日本人は大きな勘違いをしているようですが、日本製品の競争力は総合的に見て世界一です。確かに円高では価格競争力という点でハンデがあります。しかし輸出品目を見れば一般消費財や安価が取り柄で売るような物は殆どない事に気がつく筈です。(下の表参照、クリックすれば拡大します)

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世界には日本の資本財(製造装置等)でしか作れない製品があり、日本の生産財がなければ加工が出来ない製品が山ほどあるのです。従って発展途上国が製品を生産すればする程、日本からの輸出が増える事になります。

自動車などの耐久消費財輸出がイメージとして強いのかも知れませんが、海外生産がメインになった今では、輸出は自動車総売上げの15%程でしかないのです。それも高付加価値車にシフトしていますから、元々割安感のあった日本車は多少の円高ではビクともしません。

例えば300万円の、ある日本車にかなり前から標準装備(あるいは準標準)であった、2.5リッターV6 DOHC エンジン、ディスチャージランプ、UVカットガラス、(カーナビ)、オートエアコン、キーレスエントリー、オートチェンジャー付きCDプレーヤー、アルミホール、ABS、TCS、ESC、フルエアバッグ、これらは350万円のドイツ車(現地仕様)でも大半がオプションです。

日本仕様のドイツ車を同等の装備にするならば、恐らく600万円近くになるのではないでしょうか。さらにベンツの最高級車の日本仕様ですら、なぜかUVカットガラスが選べなかったりするのです。

このようにミドルクラス日本車のアドバンテージは圧倒的と言えます。これを無制限に輸出した場合どうなるか想像してみて下さい。そうです。日本の一人勝ちは許されないのです。だから海外で1200万台/年も生産している訳です。

本当に日本人は謙虚で自分を必要以上に卑下しますが、それは世界の非常識なのです。いみじくも、ある英国人ジャーナリストが言いましたが「日本人は自分の事を猫だと思っているが、実は周りから見れば虎に見える」当たらずと言えども遠からじ、ではないでしょうか。

当ブログでも前から言っているように、強い国が外需獲得に走れば必然的に外貨が貯まります。しかも日銀が円増刷(ベースマネーの増加)に消極的と来ては円高にならない筈がないのです。

ところが驚いた事に日本がやっている事は、さらに円高を加速するような事ばかりです。先日もシュワちゃんが来て前原国交相あたりがはしゃいでいましたが、新幹線や原発などの「インフラ輸出」「観光立国」「構造改革」「労働生産性向上」「リストラ」「投資の呼び込み」「デフレ政策?」「技術輸出」これで挙げ句の果てに円安誘導をしたのでは、世界はたまったものではありません。

恐れるべきは日本人は決して本意ではないのに、「銭ゲバ」に見えるかもしれない事です。その結果、貿易摩擦を生み、身に覚えのない嫉妬や恨みを買います。

日本のやるべき事は明らかです。巨額財政出動によって国内インフラ整備等の公共投資を行う事です。省エネ、環境、免震、防衛等やるべき事は山ほどあって、省エネ以外では殆ど手がついていない状況と言って差し支えないのではないでしょうか。

それによって内需を飛躍的に拡大させる事が通貨安定の道であり、日本発展の道である事は間違いない、外需は程々にね。と思われた方、クリックをお願いします。

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コメント

ホントにマスコミに毒されてしまった日本・・期待できない政権と内閣・・・

まずは国内ですよね。
円高で困っているのは輸出主力の中小企業で、大企業はそれほどではないはず。支援する方法はいくらでもあります。
経済界が云々といいますが、そんなポリシーもあるはずがなく少しでも自社の利益を確保したいだけです。

投稿: ASO | 2010年9月17日 (金) 13時01分

中小企業も内需さえ拡大すれば問題ありません。外にしか目が向いていない事が問題なのです。日本が外需で食っていると言う神話を崩さなければなりません。
それにはまずマスコミ、エコノミスト、経済学者、官僚、政治家・・・気が遠くなります。

投稿: 田中 徹 | 2010年9月17日 (金) 13時07分

「友人は私の妻の事を猫だと思っているが、私から見れば獰猛な虎にしか見えない」・・・ご、御免なさい、つい日ごろの愚痴が出ちゃいまして。。。

投稿: | 2010年9月17日 (金) 19時55分

名無しの権兵衛さん、友人や仕事仲間は私の事をドーベルマンだと思っているが、妻から見るとミニチュアピンシャーらしい。。。どこの家庭も似たり寄ったり?

投稿: 田中 徹 | 2010年9月17日 (金) 20時02分

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