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2010年10月18日 (月)

観光立国は日本観光業の自殺行為か(?)

羽田の国際線新ターミナルビルがテレビで紹介されていましたが、最近のスケールのバカでかい世界の国際空港に比べると、かなりコンパクトにまとまっているようです。和風レストラン街もあり、日本を前面に出しているのは成田などより好感が持てます。

狙っているようなハブ空港的効果を発揮するかどうかは分かりませんが、これまでの貧相なビルに比べれば、やっと安心出来る施設になりました。しかし、ちょっと遅きに失した感は否めません。Tokyoshinagawa08072

成田の4000メートル級に比べて滑走路が短い事がネックとなり、重い燃料を積む長距離便には適さないと言われていましたが、何と今日テレビを見ていたらA380が到着していました。この飛行機は図体の割には滑走距離が短く、2500メートルで十分なのだそうです。

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羽田には3000メートル級が2本ありますから、長距離便としてA380が主流になるような事があれば、成田の存在価値が限りなく失われます。どう、おとしまえをつけるのでしょうか。成田空港関係者や千葉県民が怒り出すかも知れません。

テレビの出演者は、これで観光立国が軌道に乗り、政府が目標としている何年か後の年間3000万人観光客受け入れも夢ではないと浮かれていました。見てる方は複雑な心境です。観光業の方には申し訳ないのですが、その考え方には賛成出来かねます。

政府は外需に対して異常なまでの関心を示しますが、円高を嫌う事との矛盾に気がついていないようです。3000万人も受け入れれば、現在年間で2兆円程もある旅行収支の赤字が黒字に転換してしまいます。

折角国際収支の中で黒字減らしに貢献していたと言うのに、増々外貨が溜まる事になるのです。明らかな円高要因の外貨増を促進する観光外需はマクロ的に見て、必ずしも日本経済に貢献しないのではないでしょうか。

一つは結果的に日本の対外純資産が増える事で、逆に海外に経常赤字国を増やしてしまう事です。赤字を減らそうと躍起になっている経済弱国に対し国際協調という意味で背信行為という事になりかねません。先進国としてはいかがなものでしょうか。

二つ目は、これでは日本の内需が活性化しないのです。円高の時代に外需を得る為にはコスト削減努力が不可欠です。デフレの国内に、さらにデフレ旋風が吹き荒れる事になります。

さらに三番目として、円高はそれ自体悪い事ではないのですが、円高メリットを活かす努力をする事なく、外需依存を高める事は返って円高メリットを減殺します。すなわち円高の奴隷になるのです。

働けど働けど円高が進み、さらに企業努力を要求されるデフレ地獄が待っているだけだというのに、国内にしか拠点を持たない観光産業が外需を求めるのは大きな間違いだと言わざるを得ません。

円高を活かし、内需を拡大して質の高い国内の観光客を呼び込む事こそが日本の観光業の生きる道ではないでしょうか。海外から質が高いとは言いかねる客を呼び込み、サービスの質の低下や低料金化を促進するのは自殺行為と言えます。

そもそも観光立国などと言うものは、これといった産業のない経済弱国の目指す道で、キラ星のごとく世界に冠たる先端産業を数多く持つ日本のような経済強国が目指す方向ではありません。

何を考えているのか、さっぱり分からない売国政府はともかくとして、観光業関係者は、その意味をよく考えた方がいいかも知れない、と思われた方クリックをお願いします。

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