グローバリゼーションの罠(3)
ところで韓国などが積極的に押し進めているFTA(自由貿易協定)ですが、これは諸刃の剣です。韓国も農業が壊滅するのではないかという事で、随分反対意見もあったのです。結局戸別保証をする事で納得をさせているようです。
しかし、それでは日本のように自給率がじり貧になる事は目に見えています。強いと思われる輸出産業を活かす為の政策ですが、自己矛盾を包含し、さらに全世界相手にFTAを実現する事は考えられません。
比較優位理論で言うような、得意とする産業が何もない国だってあるのです。そういう国にとっては悪夢の選択となります。万年財政赤字、外貨不足による借金に苦しむ事になりかねないのです。
従って、日本がFTAを積極的に推進したとしても、それを望む相手国が本当にあるのか疑問です。まず当の韓国だって怪しいものではないでしょうか。日本に進出して成功した企業すらないのに、ごく一部の商品を除いて輸出で日本の市場に食い込むのは至難の業と言わざるを得ません。
反対に日本からは、自動車などの現行8%の関税を撤廃すれば地の利も手伝って、エコカー等、怒濤の輸出ラッシュになるのではないでしょうか。その結果、輸出先より国内で高く売る現代自動車などは海外生産、海外販売がメインとなるかも知れません。
因に欧米(米2.5%/ものによっては25% EU10%)でさえ自動車には関税がかけられますが、日本はどこの国に対しても0%です。いかに日本車が恐れられているかが分かります。
このように完全に平等な貿易関係などというものは幻想と考えるべきです。お互いに守るべき産業は高関税をかけても守らなければならないのです。さらにFTAを締結している国同士は、周りから見れば立派な障壁になります。
民主党が提唱する東アジア経済圏などといういかがわしいものも、周りから見れば障壁以外の何ものでもなく、その経済圏の中でさえ今回のギリシャような問題が起きかねないとあっては、百害あって一理もない制度に他ならないのです。
軽々にも、グローバリゼーションなどと英語で言えば、聞こえはいいかも知れませんが、実は誰かが儲かり誰かが損をするイカサマ氏の方便に過ぎないのだ、と思われた方、クリックをお願いします。
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コメント
うーん、グローバリゼーション/資本主義の限界/富の偏在/一党独裁主義国家の足掻き/社会主義の幻想から眼の醒めない政治家/外国に騙されっぱなしの民主党/ラビ・バトラが予測している「プラウト主義経済」/外交力と防衛力の正比例・・・この辺の言葉が頭から離れず、夜良く眠れない(代わりに昼寝はたっぷり)。
投稿: Carly | 2010年10月21日 (木) 14時33分