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2010年10月29日 (金)

フーガハイブリッド登場、その実力は(?)

日産自動車は2010年10月26日に「フーガハイブリッド」を発表、11月2日に発売する。全長5m近い大型ボディーにもかかわらず、1.5Lコンパクトカー並みの燃費19km/Lを実現した。車両本体価格は577万5000〜630万円。

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エンジンはハイブリッド専用の3.5L V6で、最高出力225kW(306PS)/6800rpm、最大トルク350Nm(35.7kgm)/5000rpmを発揮。トヨタ「プリウス」と同様に吸気バルブを遅閉じして吸入空気量を減らし、圧縮比よりも膨張比を大きく取って効率を高めるアトキンソンサイクルを採用している。
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モーターは最高出力50kW(68PS)、最大トルク270Nm(27.5kgm)。ガソリンエンジンの3.7L V6モデル、245kW(333PS)/7000rpm、最大トルク
363Nm(37kgm)/5200rpmと同等の加速性能を持ちながら、10-15モード燃費はガソリン3.7L 2WD車の10km/Lに対し、ハイブリッドは19km/Lと1.9倍に向上している。燃料は無鉛ハイオク指定、ハイブリッド車のため100%エコカー免税が適用される。
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2クラッチシステムでエンジンを使わないときは切り離せるので、EVモードで走れる速度域が広いのが特徴だ。発進時は基本的にモーターだけを使い、バッテリー残量が十分なら最高80km/hまで、最大距離は約2kmまでモーターだけで走行できる。高速巡航時もモーター走行が可能で、アクセルオンなら最高80km/h、アクセルオフなら最高140km/hまでの速度域でエンジンを始動せずに走れる。ちなみにプリウスの場合、EVモードの最高速度は約60km、最大距離は約2kmだ。
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日産によれば、2クラッチ式ハイブリッドは横置き4気筒エンジンのFF車にも搭載でき、シンプルなシステムなので短期間で開発できるという。具体的な車種や販売時期は明らかにはできないが、フーガ以外のモデルへの搭載も計画しているそうだ。
(日経トレンディネット)

日産がハイブリッドカーのジャンルに殴り込みをかけてきました。見るとホンダタイプよりはトヨタのパラレルスプリット型に近いようです。コンペティターのクラウンハイブリッドとの大きな差は燃費と電池(クラウンのニッケル水素に対し、リチウムイオンを採用)ですが、エンジンを、間に組み込んだクラッチでモーターから完全に切り離す事により、燃費効率が上がったのだそうです。

その結果の、クラウンのリッター15.8kmを 3.2kmも上回るのはアドバンテージになるのではないでしょうか。面白くなってきました。これで日本を代表する三メーカーからハイブリッドが出揃った事になりますが、海外メーカーは独自開発を諦め、ベンツなども日本メーカーにすり寄って来ているようです。

日産はHVで立ち後れ、EVで起死回生を狙っているのかと思いきや、きっちりHVも開発していました。その日産の開発姿勢や、EVなのにちっともEVらしくないリーフを、前のブログで思い切りけなしたりしたのですが、大変失礼いたしました。技術の日産(古い?)と言うだけあってエンジニアは健在のようです。

フーガという車は先代がセドリック/グロリアで、フルモデルチェンジの時になぜか改名されました。セドリック/グロリアのファンにはショックだったのではないでしょうか。

スタイリングも大きく変わり、前の格調高さや歴史が消えてしまったので、がっかりしていたのですが、日産としては従来の保守路線から大きく逸脱する大冒険をした事になります。なぜそんな事をしたのか理解出来ません。

結果的にも成功したとは言えず、じり貧になって消えて行く車かと思っていた矢先、大カンフル剤が注入されました。これでしばらくは生きながらえるのではないでしょうか。

そもそもハイブリッドシステムを既存の車に組み込む事は、大幅なコストアップと重量アップを意味します。従って、軽量級の車に対しては限りなく難しいのです。ホンダはシビックに続きフィットにも装備するなどして、軽量級の燃費アップを目指していますが、難題に挑戦する姿は、いかにもホンダらしいと言えるのかも知れません。

日産もフーガで見通しをつけてから小型車にも挑戦するのでしょうが、いかにコストダウンをするかがキーになります。いい意味での競争が、より日本車を磨いて行くのではないでしょうか。

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コメント

〔風雅のHV〕ハードウェアの出来栄え;2箇所もクラッチがあるので動力の伝達がスムーズかしらん?そこだけが懸案。ただしシステム全体としてはFRレイアウトのHV車としてののSTDになる予感がします。燃費がライバル達よりアドバンテージがあるので日産としては自身満々でしょうね。    
デザイン;フロントグリルの上唇が上向き過ぎるのでシマリが無い、金魚が餌を待ってるみたい。セドリック/グロリアの子孫としての血統を受け継ぐ車なので(勝手に決めつけ!)格調とかデグニティーを表現したらいかがでしょうか?それ以外は素晴らしい出来栄え・・・

投稿: Carly | 2010年10月30日 (土) 21時41分

日産は、北米アルティマHVの動力系はエンジンを除いてTOYOTAからパテントを購入したらしいのですが、日産自身のパテント出願数はEV系の他にHV系もかなり出しているらしいです。この会社も”全方位作戦”を策定しているのでしょう。(済みません、未確認、推定情報)

投稿: AZ生 | 2010年10月30日 (土) 22時08分

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