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2011年1月 8日 (土)

世界のトップランナーよりオリジナリティ、の時代

最近よくTVなどで、「日本の国際競争力が落ちた」あるいは「国際競争力を高めなければいけない」また「国際標準を取らなければ競争に負ける」などというフレーズを耳にします。

真面目な日本人は、「大変だ日本が貧乏になる」あるいは「中国や韓国に負けてしまう」と焦るのです。特許の出願数が中国に抜かれでもしたら大変です。「日本は衰退の一途だ」と落ち込んでしまいます。(汗)

確かにデジタル家電の世界などは大変です。常に競争に晒され、優位に立つ為に、どんどん新しいものを開発しなければなりません。見ているだけでもため息が出ます。本当に嫌な渡世になったものです。

ところで年間の貿易量(下の表)と言うのは年々増えているようです。リーマンショックの08年は微増で09年は落ち込みますが、2010年からは上向くとIMFは予想しています。輸出総額の約15兆ドルというのは世界GDPの3分の1近くにもなるのです。莫大な額です。

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しかしよく見れば分かりますが、輸出総額と輸入総額はピタリと一致します。当たり前のようですが、これが意外に認識されていません。特に我が政府にとっては殊の外、理解が困難と見えます。(苦笑)

それが意味するものは、海外から買うものがない国にとって、貿易は何の価値もないという事なのです。言い換えれば輸出に血道を上げる意味は全くないという事になります。

もっと言えば、輸出による外貨獲得は絶対必要な特定輸入品(日本の場合、例えば燃料系、レアアース系)を購入する為であって、マクロ的に見れば国民生活を豊かにするものでは決してないという事です。従って純輸出は世界的に見れば0が理想です。

ところがリーマンショックまでは、そうではなかったのです。なぜならアメリカが一人で赤字を引き受けてくれたからです。お陰で他の国はせっせと黒字を貯め込むことが出来ました。ドイツ、日本、中国などが、その恩恵にあずかったのです。

中でも日本は貿易摩擦や円高のハンデがありながら、270兆円(世界一の対外純資産/下の表)もの黒字を貯め込んで、それを運用した、利息や配当収入だけで月に1兆円を超える程です。美味しい話ではないでしょうか。

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しかしながら、こういう美味い話は長くは続かないものです。世界最大市場であるアメリカが反旗を翻しました。(笑)オバマさんが輸出を倍増すると言い出したのです。それは米経済が貿易赤字の解消方向に舵を切った事を意味します。

そうなると大変なのは貿易弱国です。しわ寄せが一気に押し寄せてPIIGSあたりがひっくり返りました。韓国なども極端な自国通貨安を誘導して輸出に血道を上げ始めたのです。これ、言わば戦争なのです。甘く見てはいけません。昔のようにドンパチは出来ませんから、経済で富の収奪戦争しているのです。

なぜ戦争をしなければいけないかと言いますと、経常収支が赤字の国は借金をしなければ物が買えません。その場合、下手をすればデフォルト(債務不履行)に陥るのです。特に外貨建ての借金の場合は取り立てが厳しいと言われています。

それを回避する為には、米や日本などが資金を拠出しているIMFから借金をしなければなりません。これは外部から干渉される事を意味します。その赤字国の政府は、97年の韓国のように自由に予算が組めなくなるのです。国民にも耐乏生活が要求されます。戦争に負けたのと同じです。

話がまたまたあさっての方角に飛んでいますが、結局日本のような経常収支の万年黒字国で経済強国は、いつまでも外需に依存するのではなく、内需を拡大して成長する経済モデルにシフトするしかないという話なのです。

最近読んだ本で「日本はニッポン」(藤井厳喜、渡邉哲也 共著)にも書かれていましたが、「世界でどこかに輸出して、そこからお金が入って来るというのではない。成熟市場として国内の市場をもっと拡大して、需要を上げていく。

その基本条件は今、日本だけに揃っていると言える。国内にこれだけの蓄積があり、通貨(円)の信用もあり、世界最大の債権国でもある。だから出来るんですよ、日本は」

正に我が意を得たりです。こういう、ものが分かった大人の本を読むと嬉しくなります。要するに、自国内で全てが揃う国は、他国を経済侵略してまで、厳しい貿易戦争に参加しなくてもいいじゃないか、という事なのです。

因に日本が輸入に頼っている資源は近い将来、自給自足あるいはリサイクルで殆どが国内で賄えるようになります。そうなった時にデフレの原因となる輸出競争に参加せず、悠々自適でガラパゴス化を進めれば、逆に世界が欲しがる先端高付加価値商品が日本で出来上がる構図が完成するという訳です。国際標準ではなく、日本標準でいいんです。(カピラジェイ風に)

これは他国が進めている排他的保護主義とは一線を画します。明らかに他国を経済侵略から保護するという意味での保護主義と言った方が分かりやすいかもしれません。

阿呆の民主党が進めようとしているTPPなどは、正に逆の方向である事がよく分かります。日本が自立する流れを止めるものでしかないのです。不必要な物を買わされて、必要なものが作れなくなる。。。お〜〜怖(笑)亡国の政策以外の何ものでもありません。

輸出競争で世界に迎合し、中身の薄いものを作り、挙げ句の果てはデフレに陥って自分の首を絞めるより、ガラパゴス化して独走した方が日本の為になるし、結果的に世界の為にもなる、何より安全保障上も一番だ。と思われた方、クリックをお願いします。

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