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2011年2月22日 (火)

新聞の目的は中立報道で、誘導する事ではない筈だ

ハナムラさん、コメント有り難うございます。有名経済学者の池田信夫さんと比較される程の論客でもなんでもないので恐縮ですが、IMFの役割を考えれば正解は自ずから明らかではないでしょうか。

IMFは通貨と為替相場の安定化を目的とし国連の専門機関として1944年に米主導で創設されました。具体的には1997年の韓国のような経常赤字国の救済がメイン業務になります。先進国への内政干渉は荷が重いし、得意分野でもありません。(笑)しかもそれが米についで拠出金が多い国となればなおさらです。

尤も日本の財務省からも天下り(?)しているようなので、内政干渉には当たらないとも言えます。(笑)その意味を考えた方がいいかもしれませんね。

池田さんは学問としての経済学では専門かもしれませんが、あまりにも現場を知らないように見えます。なぜか日本の供給力や技術力に問題があると思っているようなので、正論とは話が噛み合わないのです。

供給力や技術力の点で日本以上の国があるという事を根拠なく信じているこの不思議な人は、同時に日本の政府も信用していないようです。そういう点では、危機感を持つ事は当然と言えます。(笑)

いくら現状で世界一のお金持ち国(一人当たり)でも、政府や米を含む周辺国から、ここまで足を引っ張られればおかしくもなりますよ。(笑)いずれにしてもIMFとは何の関係もありませんが。。。

さて、今日のテーマです。日経新聞の偏向ぶりには今更驚かないのですが、月曜日の社説には流石に吃驚です。いつも社説と言いながら、内容のレベルは素人の方がましかもしれない、と言うくらいのものですが、この日は特に酷かったのです。

話題が私の専門の自動車だけに看過出来ません。日本の自動車メーカーは落ち目で、韓国の現代自動車やドイツのフォルクスワーゲンがいかにも凄いかのように書くのは、どういう意図があるのでしょうか。全く理解に苦しみます。

社説では、具体的にホンダと現代自を比較していましたが、数字的裏付けがないのが、いかにも恣意的な感じがします。ホンダは抗議した方がいいのではないでしょうか。

日経新聞では全く言及されていない、その数字ですが、現代自動車2010年通年の売上高が36兆7694億ウォン(約2兆7296億円)当期純利益は5兆2670億ウォン(3900億円)、生産台数は361万台になります。

一方のホンダは、売上高が連結で8兆5791億円、四輪事業だけで6兆5548億円(2010年3月期)純利益2326億円です。2010年通年での生産台数は364万台になります。

売上高はホンダは3月期なので現代自とは9ヶ月もずれます。従って、リーマンショックの影響を考えれば現代自の方が有利な数字と見る事が出来るのではないでしょうか。それは純利益の差にも表れています。

これらの数字からも分るように、生産台数がほぼ同じであるのにも関わらず、売上高が2倍以上も違うのです。これを見れば、ホンダと現代自は全く違う土俵にいる事が分かります。従って比較する意味などないのです。

アメリカ市場で言うならば、現代自は低所得者層がメインのユーザーになり、ホンダは知的中産階級から、高額所得者向けという事になります。アメリカはユーザーセグメントがはっきり分かれますから、マーケッティングも日本などより、ある意味シンプルです。現代自はホンダやトヨタとの直接対決は避けていると言えるのです。

しかし、そんな事より問題なのは、この新聞は相変わらず拡大再生産指向である事です。輸出や現地生産への依存度を高める、数を売る事はさほど重要な事とは思えません。ドイツ車は日本車の半分以下の総生産台数ですが、より高価格のカテゴリー車の占有率が日本車より多く、利益率は当然高いのです。

量産効果を考えれば、ある程度の生産台数は必要としても、限りなく増やしていく事に、どのような意味があるのか、BENZやBMWがせいぜい100万台規模でしかない、という事をじっくり考えて欲しいものです。結論的にFTAを肯定するように持っていくのも誘導的で納得出来ません。

ともあれ、日経新聞が意図的に数字を隠して、現代自上げの社説を書いたのであれば日本の新聞とも思えませんし、知らなかったでは新聞失格です。いずれにしても読者をバカにした話ではないでしょうか。

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コメント

日本の自動車メーカーは落ち目で、韓国の現代自動車やドイツのフォルクスワーゲンがいかにも凄いかのように書くのは、どういう意図があるのでしょうか。全く理解に苦しみます・・・
たとえば現代自動車のソナタはToyotaのカムリとHondaのアコードを足して1/2にした様な外観だったりして、パッと見ではいかにも流行の雰囲気だったりして、価格は1~2割安い…と言う様な商品作りをしていますが、ブランド的にはマダマダの様ですね。ただし最近では親の敵討ちみたいな勢いで猛追して来ています。ハイブリッドとか燃料電池などのパテントは日系メーカーに殆ど先行されている(多分)ので、今の内にシェアをUPしておこうと昨今では必死なのでしょう。日経の記事はその辺りの事情は判っていないのでしょうね。品質的には、車両が出火したりステアリングホイールがすっぽ抜けたりの事例が発生している(らしい)ですよ。

投稿: Carly | 2011年2月22日 (火) 16時22分

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