自動車なき世界
日本EVクラブ代表の館内端氏がラジオで自動車の未来について話しているのを、偶然運転しながら小耳にはさみました。「従来の概念での自動車には近い将来乗れなくなる」というフレーズに自然に反応したのですが、EVでさえ後50年も経てば乗れなくなるかもしれないというのです。これは聞き捨てなりません。
その根拠となるのはCO2による地球温暖化と石油の枯渇問題の二点だそうです。中国などがこの調子で自動車生産量を増やしていけば、化石燃料など時間の問題で枯渇する、そうでない場合でも温暖化で大変な事になると言うのです。
始めはギャグかと思ったのですが、真剣に話す様子からは、どうも本気のようです。おかしいなあ、ニュースを見ていないのかなあ、といぶかしんでしまいます。石油に関してはシベリアやブラジルに新しい油田が次々に見つかって、埋蔵量は年々増えている勘定になりますし、つい最近も筑波大が開発した藻から石油を作る技術が発表されたばかりです。(下の表、圧倒的に効率がいい)
なぜかマスコミの扱いは小さいのですが、日本で消費される石油量くらいなら1リットル50円程度で供給可能と言います。世界の常識がひっくり返るくらいの世紀の大発明ではないでしょうか。
実現すれば、アメリカが中東で戦争する意味もなくなりますし、日本がシーレーンの安全確保に躍起になる事もなく、マラッカ海峡やソマリア沖などに関心を払う必要もなくなるのです。従って米軍への依存度は激減する事になります。
一方、CO2の温暖化犯人説も、このところ世界中で数多くの学者が異論を唱え始めています。どうも排出量取引の為に仕組まれた可能性が高いのです。これは「クライメートゲート」と言われて、既に欧米では眉唾ものとなりつつあると言われています。
いずれにしても、世界で食料問題が切迫の度を強めている現在、寒冷化よりは温暖化が百倍ましだと思うのですが、考え方の違いなのでしょうか。
尤も、だからと言ってC02を垂れ流してもいいという事にはなりません。人類が地球上で快適に住める大気中のCO2濃度は3〜4%以下で、7%になれば生存が難しいと言われています。
では現在の濃度はと言うと、0.038%だそうです。産業革命の時が0.026%ですから250年後の今、0.012%増えている計算になるのです。従って0.012%増えるのに250年かかったという事は、3%になるまで何万年かかるのか知りませんが、CO2排出に関する規制的なもの、あるいはノーベル賞の根岸教授が提唱するようなCO2再利用的な試みが必要である事は明らかと言えます。
しかし、よ〜く考えてみれば、人類は数万年後には間違いなく氷期を迎えるのです。これは地球が何億年も続けてきた宇宙的営みですから人間の力で変えられるとも思えません。そうなったら食べる事に必死で、自動車どころではなくなるのではないでしょうか。
そこまで先でなくても、例えば20年後30年後に自動車が市民権をなくすかもしれないなどと、そんな寂しい事を想像するだけでもゾッとするのですが、EVでもハイブリッドでも、とにかく自分の存在意義に関係してくる自動車が存在し続けてくれる事だけは祈らざるを得ません。
世の中一寸先は闇ですから迂闊な事は言えませんが、常識的に考えて、10〜20年後くらいの先なら、劇的に変わる事は考えにくいのではないでしょうか。もちろんEVやハイブリッド車の比率は増えますが、世界で見れば圧倒的にガソリン車(あるいはディーゼル車)が多い事に変わりはありません。
その場合でも日本の省エネ技術が世界に貢献する事は間違いないのですが、年間生産台数に占める日本車の比率が現在の30%から増えているのか、減っているのか、神でない身には、知る由もないのです。
また取り留めがなくなりました。まあ最悪、自動車がなくても昔は人力車があったし、飛行機が飛ばなくなれば恐い思いをしなくてもすみます。(笑)人間には不便でも地球にとって、それは悪い事ではないのです。
一昨日のクリント.イーストウッドのように、人間は与えられた環境でベストを尽くすのみ、と思われた方、クリックをお願いします。
| 固定リンク
「自動車」カテゴリの記事
- クルマの価格が5分の1になる日(後編)(2020.11.24)
- クルマの価格が5分の1になる日(前編)(2020.11.18)
- BEV(バッテリー式EV)に未来はあるのだろうか?(2020.09.23)
- EV vs HV (後編)(2020.03.27)
- EV vs HV (前編)(2020.03.23)
コメント
日本EVクラブ代表の館内端氏が車社会の50年後に不安?を一瞬でも感じた理由(推測)・・・
①最近少しお疲れの様子。普段は理論家で物理科学に大変詳しく、車への愛情も人一倍強い人なのに。
②鬼の霍乱…彼も人の子、たまには失言しちゃう。
③CO2による地球温暖化と石油の枯渇…は上辺を装っているだけで、実はGAIA(ギリシア神話に登場する大地の女神)からお告げを受け取った。・・・かな?! SFっぽいけれど。
投稿: Carly | 2011年2月14日 (月) 16時24分
自動車は10年後も100年後も1000年後にも地球上に存在し、人類に愛され続けます。水陸両用とか空を飛んじゃうのも出て来るでしょう。動力源?内燃機関か電気モーターか電磁式の未来的何かでしょうね。燃料?液体/圧縮気体/2次電池…どれでもOKです。環境を汚さなければ。遠い眼で見れば海には、巨大な藻のプランテーションを見ることが出来るでしょう。CO2を吸って酸素を出して石油を実らせる”藻”が人類を救います。
投稿: AZ生 | 2011年2月15日 (火) 10時42分