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2011年3月18日 (金)

有事の円

福島第一原発で頑張っている自衛隊と警察、及び関係者の皆さん、命がけの作業、大変お疲れさまです。あなた方の努力は必ず報われる事と信じています。作業中に被曝された皆さんにも、心よりお見舞い申し上げます。

さて、今日は久々経済の話(素人なりの)です。大変興味深い現象が起きています。今回の大災害を受けて、株価が下がるのは理解出来ますが、円と国債価格が上がっているのです。国債の場合は買いが殺到し、10年もの長期金利が下がっています。

通常、一国がこれだけの被害を受ければ株、債券、通貨のトリプル安は免れません。さらに、原発がどういう結論に至るのか分からないという複合的、且つ未曾有の災厄に会うなど、ここ100年を見ても、経験した国があるとも思えませんが、この状態を見れば、売られまくって当然と言えます。

ところが、下がるどころか、逆に円が上がっているのです。これを日本駄目論を展開する人や、財政再建論者たちはどう説明するのでしょうか。マスコミは単純に海外への投資が、再建の為、日本に還流するからだろうと言うのですが、その説明にも無理があります。

なぜなら日銀がここ3日間で55兆円もの量的金融緩和をしたからです。資金は当面潤沢と言えます。さらに、この場合は通常なら円安に振れる筈です。それが円高に動くというのはよっぽどの事ではないでしょうか。まさか有事の円(?)

実は今回の災害で日本以上にダメージを受けている国があります。日本から資本財や生産財を輸入している中国や韓国、台湾などは輸入が滞り生産が出来ないのです。従って食い扶持である輸出が出来ません。

一方、円が背後で信任を与えているドルもガタガタになりました。従って世界同時株安に触れるのは無理もないのです。円は我々が考える以上に世界に与える影響は大きいと言えます。有事のドル神話は崩れ去ったのかもしれません。

ところで、世界で義援金を募る動きがあります。インドネシアなどは、これまで日本に、何かと助けられてきたのだから、今度は自分たちが日本を助ける番だ、と言ってくれているのです。正に「情けは人の為ならず」ではないでしょうか。

しかしながら、これらの援助はドルに換金して日本に届けられる事になりますから、日本に入った時点でドル売り円買いになります。これは円高要因です。増々円が上がるのではないでしょうか。

そこで円高が諸悪の根源のように言っている人は、これらをネガティブに捉えるのでしょうが、当面供給先は内需主体にならざるを得ません。その場合、原油高にコモディティ価格が上がっている現状では、円高は大変メリットがあるのです。逆の場合は言うまでもありません。

阪神淡路大震災の時には30兆円規模の財政出動で経済は上向いたのですが、今回は100兆円規模はかたいので、禍転じて福となす事は十分可能です。けがの功名でもいいので、是非結果を出して欲しいものです。

しかしながら、それを理解する能力のない政権では。。。ねえ。

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