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2011年3月29日 (火)

テロには耐え様がない原発

 

経済産業省原子力安全・保安院が、震災当日の十一日夜、東京電力福島第一原発事故に関して、三時間以内の「炉心溶融」を予測していたことが二十七日、分かった。また翌十二日未明には放射性ヨウ素や高いレベルの放射線を検出、原子炉の圧力を低下させる応急措置をとる方針が決まったが、実現するまでに半日も要した。政府文書や複数の政府当局者の話で判明した。

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 溶融の前段である「炉心損傷」を示すヨウ素検出で、政府内専門家の間では危機感が高まり、応急措置の即時実施が迫られる局面だった。

 しかし菅直人首相は十二日早朝、原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長と予定通り現地を視察。政府与党内からは、溶融の兆候が表れた非常時の視察敢行で、応急措置の実施を含めた政策決定に遅れが生じたとの見方も出ている。初動判断のミスで事態深刻化を招いた可能性があり、首相と班目氏の責任が問われそうだ。(東京新聞)

パフォーマンスの為の視察が高いものについたようです。どうせ見ても何も分からないのに、格好つけたがるのは XXの証拠です。今回の危機に際し、閣僚を増やしている事に対して、国民新党の亀井さんは「バカ+バカ+バカはバカだ」と喝破していましたが、その通りではないでしょうか。

ところで人災のそしりは免れない今回の原発事故ですが、その他にもおかしな事は沢山あるようです。汚染の度合いですが、福島県内でも実にバラバラで殆ど汚染がない地域(通常の4〜5倍)もあるのです。かと思えば福島市は原発から61キロも離れているにも関わらず、汚染がずば抜けています。16日には平常時の約600倍に達しました。

現段階では原発から30キロ圏内も、ひどい汚染とは言い難いのですが、200キロ以上はなれた東京での水源汚染は腑に落ちません。地上では大した数字が出ていない訳ですから、判断に苦しみます。

さらに東京湾などは東京より高い地上の値と比較しても、海水の方が倍以上も汚染されているのは不思議です。福島原発の傍なら分かりますが、海水は黒潮に乗って西から北東へ移動しますから、地上より高い数値はあり得ないのではないでしょうか。因みに平常時との比較では10倍以上になっています。

他にも色々あって、同じような被害を受けた原発は多いのに、なぜ事故が福島第一だけなのか、制御棒が入った後なのに地震直後の白い煙は何なのか?電源もなく火のないところで立て続けに起こった爆発の原因は?

特に3号機の派手な爆発は一体どういうメカニズムで起こったのか適切な説明がありません。まるで原爆でも爆発したようなキノコ雲でしたが、さすがに東芝製の炉は頑丈です。他の炉と比べて、大きな損傷があったとは言い難いのはさすがです。

不思議の極めつけは1、2号機のタービン建屋地下で異常に高い放射線量を出す汚染水が見つかった問題です。通常、原発(核分裂)では発生し得ない物質が計測された(TBS報道による)というのは、どういう事なのか、納得のいく説明が聞きたいのです。

原発是非論に結論を出すのは未だ時期尚早かもしれませんが、今回の原発事故での教訓は沢山あるようです。私などは、当初あれくらいダメージを受けても被害は限定的なので、もう少し対策をすれば、十分安全ではないかと思っていたのです。

ところが、いくらハード面で頑丈にしたり、ソフト面で緻密なシステムを確立しても、それを扱う人間の質や、指導者の判断力、あるいはサボタージュなどによって、全く機能しない恐れがある事が今回発覚しました。日本が、これこそ世界に誇るフクシマフィフティが何組いても追っつきません。

さらに、今回の真相は知りませんが、テロのように、ある意図を持って攻撃された場合、全く守り様がないという事を露呈してしまったのです。という事は、結論は明らかではないでしょうか。国内に、そんな弱みを持つなんてあり得ません。

原発の安全性の為に努力を惜しまない東芝や日立、あるいは三菱の関係者の皆さんには、大変申し訳ありませんが、ウランやプルトニウムを使う原発は段階的に廃止して行くのが、環境にも国益にもかなう、という私なりの結論に達しました。

安全な代替燃料、あるいは風力や波力のような自然エネルギーを総知を結集して開発するしかありません。

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コメント

那須おろしの風の強い那須高原に風力発電機が3機たっています.大手会社の保養所.この3機ではこの保養所全体の電気を全部まかなえないと聞いています.

メーカー:富士重工業 形式:15/40 定格出力:40kW x 3で、確かではないのですが2億円ほどかかっているそうです.

投稿: | 2011年3月29日 (火) 13時10分

風力発電機・・・中国での生産/活用がかなり大規模の模様。

投稿: Carly | 2011年3月29日 (火) 14時37分

テロには耐え様がない原発・・・
日本は過去数十年にわたり、開発途上国等に膨大なODA(海外援助金:円借款)として援助を行う一方、武力による恫喝/侵略行為を一切行っておりませんので外国から恨まれたり、本格的なテロ攻撃を受ける原因はあまり無いけれど、世の中一寸先は闇ですよね。
その一方、国防意識が国民/政府とも他国に比べて著しく希薄でありました。尖閣事件で多少、平和ボケから少しは眼が醒めたところ(私も含めて)です。
原発は悪意のあるテロとか、通常兵器の攻撃に対して無防備なので、日本中に原発が配置されているとしたら、原爆をその数だけ時限爆弾的に又は地雷を施設しているのと同じです。これって危険です。国民皆で議論が必要。ドイツは廃止する方向と聞きました。
まずは大地震の対策を皆で克服するのではありますが、原発に対して又その他のエネルギー資源確保についての議論が大切と思います。筑波大の渡辺教授などの提案/開発中の藻から採取する石油/太陽光、地熱、波力などから電気を作る技術を推進するのでしょう。

投稿: AZ生 | 2011年3月29日 (火) 17時36分

日本中の原発の総点検がまず必要、火力/水力発電の既存の施設で休止状態のものを再稼動して古い原発を順番に廃棄するのが無理の無い運営なのでしょうね。

投稿: 心配性君 | 2011年3月29日 (火) 17時46分

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