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2011年4月22日 (金)

今こそ有り余る金融資産を有効活用すべきだ

被災地の復興資金に関して、経済学者やエコノミスト、あるいは経済音痴の政治家達が侃々諤々と議論を展開しています。まあ、人によって色々言う事が違うものです。「船頭多くして船、山に登る」ですが、今回の津波では本当に船が山に登りそうでした。

水の力は想像を絶します。2〜3階建ての建物の上に鎮座する50〜100トンクラスの船の映像を見て、心底驚いたのです。どうやって下ろすのでしょうか。知恵が試されます。

話は復興資金に戻って、今のところ、大勢を占めているのは、取りあえず「復興国債を刷って調達せよ」というものです。これは至極真っ当ではないでしょうか。問題は財源です。復興税新設を今から言い出しています。

消費税を3年間限定で8%にする案もありますが、これは恒久税に変わるリスクが高く、賛同出来ません。3%増では計算もややこしくなるし、夏のサマータイム同様、混乱が予想されます。さらに余計な費用もかかりますので絶対にやめて欲しいのです。

私は前から言っていますが、震災前でさえあり得ない増税は、震災後ではもっとあり得ません。日本が経済的にも沈没してしまいます。専門家ではないので無責任な事は言えませんが、「じゃあ財源はどうするんだよ」と聞かれたら、即座に千年国債ならぬ、相続税免除の超長期国債を刷ればいい、と答えます。

これなら日銀引き受けアレルギーの人も説得出来るのではないでしょうか。償還期は30〜50年程度です。眠っているバブル時代の勝ち組が持つ資産の活用が期待出来ます。

それを年に10兆円くらい、3〜5年、もう十分だと言われるまで発行するのです。50兆円くらいあればかなりな事は出来るのではないでしょうか。そんな事を書くと、「お前は日本の供給力が、今回の震災で毀損したと言ったじゃないか。供給力が需要を下回る恐れはないのか、すなわちインフレ圧力では?」と突っ込まれそうです。

確かにそうです。震災前はデフレギャップが30〜60兆円くらいは悠にある世界に冠たる良性デフレ国家だった訳です。しかしこの震災で大きくサプライチェーンが傷つきました。その場合、市場に資金を供給すればする程インフレになるのは自明の理です。

ここは警戒しなければならないところではないでしょうか。名だたる経済学者も警鐘を鳴らしています。1〜2年も経てばサプライチェーンも復活するでしょうが、その間の繋ぎが問題です。

耐久消費財に関しては買い控えて、ものが出揃う頃一斉に買いに入る手はあります。しかし、一般消費財や燃料関係はそうはいきません。世界的に見てもコモディティ価格はインフレ圧力がかかっています。中長期的に見ても、この流れは変わらないのではないでしょうか

しかしながら、ここで日本の場合は世界一の対外債権国であるという事実が光り輝きます。純資産270兆円を誇っているのです。前から言っていますが、これを活用しない手はありません。PIIGSや韓国などの財政赤字国の赤字減らしにも貢献出来るいいチャンスなのです。

そうです。もうお分かりでしょうが、輸入をバンバンすればいいのです。貿易赤字を心配する新聞もありましたが、寝言を言っちゃあいけません。1年や2年赤字になったからと言って蚊が刺した程でもないのです。多少のマイナスなら莫大な所得収支の黒字がが埋め合わせをしてしまいます。経常収支でマイナスに持っていくのは至難の業なのです。(笑)

海外子会社などからも輸入を促進すれば、その結果は安い輸入品に溢れて、かえってデフレ方向にさえ動くかも知れません。円高を有効活用すればいいのです。その結果としては多少円安に触れる局面もありますが、一部の輸出産業には追い風になるので、復興期には好都合ではないでしょうか。

国内の供給が戻ってくれば、段階的に輸入を減らし元の状態に戻せばいいのですが、ここでは競争の原理が働きます。輸入品の品質が上がっていれば、居座り続けるかもしれませんね。

反日マスコミは不安心理を煽りますが、実は日本は余裕なのです。いずれにしても、こんな事が出来るのは世界広しと言えども日本しかないという事を、我々日本人は噛みしめなければいけません。普通の国なら、株、通貨、債券のトリプル安で、とっくにひっくり返っています。

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コメント

そんな面倒なことしなくても、有り余る金融資産が政府にシフトする方策つまり超巨大増税をやればいいじゃないですか。

消費税だと消費や生産が冷え込むというのなら、所得税と相続税の累進課税を強化して高額所得者に重税を掛ければよい。

所得税の最高税率を現行の40%から来年は50%、再来年は60%、3年後は70%にし、その間の予算の不足分だけとりあえず赤字国債で穴埋めしておき、後々の税収で償還。

それだけのことです。とても簡単です。

国債でどうのこうのなど、複雑すぎます。日本国債の需給バランスが崩れて国内の信用の状態が低下し経済が大混乱します。そういう無責任政策は絶対にやってはいけません。

いいですか、国債は国民の将来の税金です。しかもこれをインフレで相殺することは絶対にできません。なぜならインフレ期待により市場がつける金利の上昇分が実際のインフレ分をすべて凌駕してしまうからです。国債を発行すれば発行するほど、将来の日本国民は重税にあえぐことになるのです。

しかし個人金融資産がまだ公的債務の総額を上回っていない現状では、重税であっても国民は比較的楽にこれらの公的債務を償還できるのです。今後の所得からの支払いで。

累進強化で資産家は個人金融資産のいくばくかを取り崩して納税することになります。これにより将来の成長を阻害せずに財政が健全化することができます。

もともと可処分所得の少ない低所得者ほど増税の負担が少なくて済みますから彼らの生活を危険にさらすリスクもありません。

家計の可処分所得の格差の解消はすべてにおいて王道です。

高額所得者ほど重税にするとモチベーションが下がるなどという呆けた議論がありますが、そういう新古典派経済学のタワケごとは完全なる嘘っぱちです。個人個人は家計の構成員としてと、生産の構成員としての2つの面があります。個人所得への累進性強化で家計の構成員としての面ではぜいたくできずに不満でしょうが、いっぽうで財政健全化により長期の期待が好転するとともに生産の構成員としてはこれから仕事が増えるぞということで、俄然やる気になります。

投稿: 通りすがり | 2011年4月23日 (土) 13時29分

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