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2011年4月20日 (水)

おい、日経新聞いい加減にしろ(!)

日本人が劣化したせいでしょうか。マスコミの劣化は惨憺たるものがあります。地震や特に原発の報道なども酷いものでした。煽るだけで正確な情報もないのに国民はよくパニクらないもんだと感心します。

今日の日経新聞なども、目の敵にしている訳ではないですが、前回に続いて絶句です。社説でまでデタラメを言うのはやめて欲しいのです。真面目に勉強しろと言いたいです。それとも確信犯の世論誘導でしょうか。どちらにしても罪深い事に間違いありません。

「経済復興の為にもTPP参加を急げ」というタイトルで、「日本は自由貿易の中で行きて行く国である。その立場は震災が起きても変わらない。むしろ経済復興の為に、世界とのつながりを一段と深めなければならない局面だ。」と言っています。

誰が勝手に決めたのでしょうか。日本は自由貿易で生きてきた訳では全くありません。事実誤認も甚だしいのです。ジャパンアズナンバーワンと言われた旭日昇天の80年代ですら貿易収支が赤字の年もありました。(下の表)輸出額がGDP比で9〜12%は貿易依存とは言い難いのです。

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その理由は競争力が付き、貿易強国になると叩かれたからです。半導体摩擦、85年のプラザ合意やスーパー301を何だと思っているのでしょうか。日本の一人勝ちを欧米(特に米)は認めませんでした。その結果の海外進出です。

不自然に膨らんだバブルが政府と日銀の無策で崩壊した90年からのバランスシート不況下、不動産デフレ、金融デフレ、円高の中、内需が収縮し、企業は海外に活路を見出すしかなかったのです、その結果は年間200兆円もの市場を海外に創出しました。ところがそこからの利益還元は税制の不備もあって微々たるものだったのです。

その後リーマンショックから世界は劇的に変わります。アメリカが貿易赤字を垂れ流せなくなったのです。その結果は貿易赤字国にしわ寄せが来ます。まず経済基盤の弱いPIIGSが音を上げたのです。G20でもドイツ、中国、日本の経常黒字三兄弟に対しガイトナー米財務長官が牽制します。(下の表2007年現在)

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経常収支の4%制限です。もちろん拘束力はありませんが、経常赤字国が持続可能でないように、黒字国も大幅黒字の継続が許されなくなったのです。世界の貿易、いや経済のパラダイムが大きく転換した瞬間でした。

この新聞は日本の国際収支の内訳を把握しているのでしょうか。日本は80年代からの執拗なサボタージュを受けても優位性が大きく変わる事はありませんでした。経常収支は万年黒字です。その中で所得収支はコンスタントに月に1兆円以上もの黒字を続けているのです。これだけでGDP比2〜3%にもなります。

という事は貿易黒字のアローアンスは後の1〜2%しかありません。TPPに入ろうが、どこかとFTA を締結しようが、そこは変わらないのです。それは当然、貿易黒字をこれ以上伸ばせない事を意味します。

結局、長年に渡り、積もり積もった日本の経常収支は世界一の対外純資産270兆円(2010年)に形を変えていますが、ここを減らさない限り、赤字国の再建などあり得ないのです。という事は、国内の供給力が毀損した今回の震災は黒字減らしのいいチャンスと言えます。言い換えれば凍結されていた外貨資産の有効活用です。

世界とつながりを深めるのは悪い事ではありませんが、今以上の貿易黒字目当てでは世界から却ってブーイングを受けかねません。莫大な義援金でも分かる、日本に対して好意的な世界から、無神経にも、さらに稼いで復興しようと言うのはKYも甚だしいのではないでしょうか。

日本の現状と世界の状況を見据え、農業立国主体の参加国を見渡したとき、TPP 参加によって得られるもの失うもの、どちらが多いのかは明らかです。経済的自立や食料自給率アップの芽さえ摘みかねないTPP参加は百害あって一理もありません。

むしろ国内に目を向け、内需を拡大し、デフレの20年間に失われたものを取り返す事こそが復興への近道であり、世界への恩返しであるのです。こういう判断力、分析力がなぜ働かないのでしょうか。正確な情報と想像力のない経済新聞に経済記事を書く資格はありません。

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