貧乏国への道を突き進む日本
TBSサンデーモーニングで、今年の夏に供給不足が予想される電力の話をしていました。浜岡原発が突然停止された事によって予定が大きく狂って来たのでしょう。
各界リーダーのコメントが紹介されます。某自動車メーカーのオーナーは「日本人は、これまで贅沢をし過ぎていた。質素な生活に戻してもいいのではないか」と言う意味の発言をしていました。建設機械の小松なども輪番稼働を含めた週休3日制を検討しているそうです。前向き(後ろ向き?)ですねえ。
番組のコメンテーターもこぞって賛成しています。まるでエネルギーの使い過ぎは悪だとでも言いたいようです。日本人の悪い癖が出ているのではないでしょうか。急激に反対方向に振れるのです。これまでの善が、明日からは悪になる(?)ちょっと抵抗があります。
しかし、よ〜く考えてみて下さい。世界で最も省エネが進んでいる国はどこだったのでしょうか。さらに、それを一番推し進めているのはどこなのか、いくら1000年に一度の大きな地震が起きたからと言って、一回の地震で基本的な事をひっくり返すというのは納得出来ません。今までやって来た事は一体なんだったのかという事になります。
勿論、化石系資源はいずれ枯渇します。そんな事は最初から分かっているのです。だからこそ、持続可能なエネルギーを求めて研究開発がされているのではないでしょうか。但しこの活動には必ず邪魔が入ります。既得権益を侵される方は黙っていないのです。これはアメリカのシンプルな動きを見ていれば、非常によく分かります。
ところで、件の経営者は資本主義や自分たちがやって来た経済活動の事を理解しているのでしょうか。拡大再生産で、国内が飽和したら海外に進出し、パイが膨らまないと見るや競争を繰り返して来たのは誰だったのか、腑に落ちません。
劇的な省エネ技術の発明でもない限り、電力消費量と経済活動は連動します。発電量を絞れば経済は制限されるのです。経済活動の制限は、資本主義自由経済の根幹に関わります。貧乏連鎖に入りかねません。
ハーバードの某先生じゃないですが、「震災後、日本は貧困な国になる」と言ったのが外れではなかった事になってしまいます。他の国は、これまでと変わりませんから、差が際立って来るでしょう。いくら何でも、それは納得出来ないのです。安全保障上も由々しき問題です。
ところで、贅沢は人間の特権ではなかったのでしょうか。知恵があるからより良い生活を望み、知恵があるから、それが達成出来るのです。尤も、持続可能でない消費一方の贅沢は行き詰まります。その為、エネルギーを奪い合って醜い争いが繰り返されるのですが、昔から人間がやっている争い事は、全て、そこに端を発しているのです。
そういう世界にいて、地球と共存しながら持続可能な贅沢社会を達成出来るポテンシャルを持つ唯一の国の指導者達が、一回の地震で後向きになるのは、日本と世界と地球の為にマイナスだという考えになぜ至らないのでしょうか。不思議でなりません。
有り余る資金を持ちながら、活用する術を知らない政治家と言い、ハードウェアが凄いスペックでも、あらゆるソフトが揃っていても、OSがバグってばかりでは宝の持ち腐れです。そういう国に未来はありません。
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