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2011年6月28日 (火)

後を絶たない、危機を煽り、詐欺まがいの商売をする人達(後編)

行き過ぎた米の内政干渉と、当時自民党だった小沢議員主導の対米隷属政策によって公共投資は90年からの10年間で430兆円もの規模になります。財政赤字の膨張は必然であったのです。

ただ、この件、怪我の功名的要素があったのも事実です。バブル崩壊後、民間の設備投資意欲が低く、信用創造機能が十分に働かない時には政府が借金してマネーを増やすしかありません。

この為に、デフレは続いたもののマイナス成長に陥る事はなかったのです。さらに、技術力と有り余る供給力があり、膨大な潜在需要を抱える日本のデフレは良性です。マネーさえ回れば瞬時に回復が期待出来るのですが、政府と日銀がそれを頑に阻みます。

その負の副産物としてのゼロ金利は、内外の金利差を生み、円キャリートレードとして膨大なマネーの海外への流れを作りました。それによってアメリカの住宅バブルが形成され、訳の分からないデリバティブ金融商品が世界を跋扈する事になります。

結局、サブプライムローンの破綻からリーマンショックを招き、世界は大混乱時代に突入する事になりますが、そのトリガーは日本によって引かれたのかもしれないのです。

日本人は気がついていませんが、バブル時代と、その後に増やされた日本のマネーサプライ(M3+CD)は巨大です。1600兆円にも及ぶ資金が世界に与える影響は計り知れません。対外純資産の260兆円もバブル時代より遥かに大きく、国内経済が低迷している間に海外でのプレゼンスは格段に大きくなっていたのです。

考えても見て下さい。私も85年までは某自動車会社に勤めていましたが、その頃の日本車は、壊れない安心感や、クオリティの高さで人気は上昇しつつあったものの、技術的に見て未だ大したものではなかったのです。家電も同じようなものではないでしょうか。

さらに97年頃までの技術貿易収支は赤字で、欧米から特許や技術を買っていたのです。ところが今は、全ての貿易相手国に対して技術貿易収支は黒字です。それだけで2兆円にもなります。省エネ、環境技術も世界トップクラスで、羨望の的となっているのです。

参考までに、日本の基幹産業である自動車は最盛期(2007年)で世界生産2400万台、売上63兆円の世界断トツでした。リーマンショック後2010年3月期は1800万台、売上44兆円まで落ちますが、2011年3月期2097万台まで盛り返しています。

今回の地震津波と、それに伴う原発事故で生産財のサプライチェーンが寸断された影響をもろに受けたのも自動車産業ですが、立ち直りも早く、2012年3月期は2200万台に迫る事が予想されているのです。

この後発であった自動車産業が欧米、あるいは途上国の追随を許さないのは、日本得意の擦り合わせ型で、さらに一朝一夕には構築出来ない垂直統合型産業故です。裾野が広いこの産業を見れば明らかなように、製造業、特に先端分野での日本の優位性は揺らぐどころか、ますます世界を引き離している事が分かります。

こんな国がバブル崩壊当時と比べて、GDPこそ実質で20%くらい上がったものの給料が殆ど上がっていない、むしろ下がった事が、いかに不自然な事であるか、想像力を働かせるべきではないでしょうか。

表面的な数字のみを追いかけている日本破綻論者達は、この想像力が明らかに欠如していると言わざるを得ません。私のように産業界にどっぷり浸かっていて、日本のアドバンテージを肌で感じている者とは違う世界を見ているのではないでしょうか。

いずれにしても、これら一連の出来事は、明らかに外圧によるものと、それらの間接的な影響によるものです。日本固有のものに問題があるとする見方は極端に不自然だと言わざるを得ません。

日本の繁栄を快く思わない勢力がいて、その手先としての民主党のような存在があり、衰退化を画策されていると考える事の合理性を否定する事は極めて無理があるのではないでしょうか。


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コメント

日本車の世界生産2400万台って何ですか?
中国で作られた日本車も、日本人の手柄ってこと?
同じくアメリカで、ブラジルで、タイで、メキシコで、イギリスで・・・などなどなど。
とてもグローバルな考え方ではないですね。。

投稿: federal | 2011年6月29日 (水) 05時52分

そうです。どこで作っても日本企業の成果という事になります。統計上もそうなります。
あなたの言うグローバルな考え方とは逆になんでしょうか。国益に繋がらないグローバリゼーションに、何のメリットがあるのか私には分かりません。
世界は日本人が考えている程甘くはありません。日本人のアイデンティティや数多くある長所を捨ててでも世界に関わるべきなのでしょうか?
難しい問題ですね。

投稿: 田中徹 | 2011年6月29日 (水) 08時57分

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