日本の製造業は永遠に不滅です。
財務省の中尾武彦財務官は18日午前、日銀本店に中曽宏国際担当理事を訪ね、円が戦後最高値(1ドル=76円25銭)に迫る外国為替市場への対応について協議した。中尾財務官は省内で記者団に対し、米欧の財政・債務問題を背景とする円高について「投機的な要素があり、激しい動きになっている」と指摘。その上で、政府・日銀が一体で円高対策に取り組むとの認識で一致したことを明らかにした。
両氏は午前11時から約30分間会談した。政府・日銀間の調整の動きを公にするのは異例だ。会談では、米国の追加金融緩和や、欧州債務危機に端を発する金融市場の混乱について意見交換。中尾財務官は「東日本大震災後、日本経済は強いわけではない。最近の円高は非常に厳しい」と指摘した。日銀の追加緩和策については「議論していない」としている。 (時事通信)
なんか臭い猿芝居やってるなあ〜。(笑)と感じているのは私だけでしょうか。真剣味が感じられないのです。特に追加緩和策については議論していない、というところは謎です。他にどんな円高対策があるというのでしょうか。
直接原因が何にせよ、円高の大きな要因として円が不足している事は明らかです。欧米中と比較して、刷り負けています。平時と同じ感覚ですから、当事者にやる気がないと思われても仕方がありません。
蛇口を絞って、水の流れが悪い〜って言っている訳ですから、経済よくなる訳がございません。(笑)つくづく民間は不幸だと思います。お代官様に恵まれた事がないのですから。すぐ越後屋と悪巧みするし。。。
それにしても民間は涙ぐましい努力をしています。震災で一時はどうなるかと思いましたが、自動車などは破竹の挽回劇を演じています。今年度下半期は日本車全体で国内、海外生産合わせて1300万台と言いますから驚きました。
何と半期では過去最高なのです。と言う事はポテンシャルとしては通期で2600万台にもなります。年間の過去最高が2007年の2300万台ですから、それを大きく上回る訳です。
尤も今年の前半は震災のせいで1000万台まで落ち込みましたからトータル2300万台は2007年のレベルに留まります。今年の世界全体での生産台数が8000万台に届くと言われていますから30%弱のシェアという事になるのです。数が多ければいいというものでもありませんが、圧倒的首位です。因みにトヨタの年間生産台数は890万台の過去最高になるようです。
筆者は、自動車産業が健在な限り日本の製造業の覇権は揺るがないと見ています。あらゆる先端技術の「擦り合わせ」による集合体ですから、それを国内で垂直統合型産業の代表として維持、さらに醸成して行くならば、日本経済は万全です。
従って、どの分野においても、製造業の要となるマザーファクトリーを国内に置く事は絶対に必要と言えます。それさえも安易に海外に出すようになってはお終いです。製造業とは言えません。
一時工場を持たない製造業(ファブレス)がもてはやされた時期もありましたが、海外依存度が高い怖さを、最近はいやと言う程見せつけられています。
ところで垂直統合型の意味が分かり難いというご指摘がありましたので解説します。簡単に言えば、商品の開発から生産、販売を自社で一手に行うことです。市場調査から入って、コンセプトメーキング、デザイン、技術開発、設計、試作、テスト、生産技術設計、量産、宣伝、販売、アフターサービスに至る行程があります。
コスト管理の徹底、技術漏洩の防止、業務範囲の拡張等、垂直統合型のメリットは数多くありますが、何と言っても一番大きいのは人の育成です。一工程だけしか知らないのではスペシャリストは出来てもプロデューサー、リーダークラスは育ちません。一気通貫で見て行く事は商品開発には欠かせないのです。
さらに、これだけの複雑な行程です。問題もなくスムーズに行く筈がありません。あっちでつまづき、こっちで壁に当りと、艱難辛苦の紆余曲折があるのです。そこを柔軟に根気よく摺り合わせて行く人間の知恵が試されますが、日本人の気質と組織力が、それに見事に合致しました。
勿論、全ての部品を一メーカーで生産する訳ではありません。裾野として数多くの部品メーカーが存在します。ただ、その開発は任せっぱなしではなく、社内の専門家とコラボレートするシステムが確立しているのです。
垂直統合型で擦り合わせ型、しかも自分の専門分野だけに留まらず、人の縄張りにも口を出すオーバーラッピング型の開発スタイルが確立された世界、そのノウハウの結晶が日本の自動車産業ですから筋金入りと言えます。昨日今日作り始めた新興国に真似が出来る筈はありません。数十年は安泰ではないでしょうか。
その垂直統合型の反対が水平分業型です。世界的には、コンピューターやモバイル、家電製品に見られます。コストを下げられるメリットは何ものにも代え難いのですが、世界情勢に左右されるというリスクと、ブランドイメージの構築にとってハンデにならざるを得ません。高級品には向かないと言えます。
話が散漫になりましたが、数字しか見ない日銀総裁や、利権獲得に忙しい政治家に日本の製造業の凄さが理解出来る訳はありません。理解出来たなら、どういう状況にしろ「日本経済は強いわけではない」などと軽佻浮薄な台詞が出て来る筈はないのです。
金融と結果数字だけを見て経済と、分かった風な事を言いますが、実体経済とは付加価値供給力を指します。紙切れに過ぎない通貨偏重ではなく、技術力、開発力、供給力を見抜く力をつける事が先決ではないでしょうか。
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コメント
越後屋(笑)
悪大菅とか悪大官とか悪大韓と組んでいるんですね。
お主も悪よの~と。
投稿: ASO | 2011年8月19日 (金) 14時09分
財務省の中尾武彦財務官さ~ん、日銀さ~ん、打出の小鎚を振りましょうよ~
≪財政出動、公共投資、内需拡大、災害復興国債発行、流動性確保≫
投稿: 地球防衛教財務部長 | 2011年8月19日 (金) 14時28分
平成23年度、日本の困った3Kは・・・菅ー官ー韓ですね~ASOさん!
投稿: かかし君 | 2011年8月19日 (金) 14時37分